《ため池管理システム》と《BraveGATE》の話をもう少し。

昨日の投稿で、
『「ため池管理システム」もBraveGATEをベースに構築されています。』
と表現しましたが、コアな部分はBraveGATEそのもの、ですね。
そこにWebアプリのインターフェイスを構築し提供しています。

違うのは、LTE-BLEルーターとエンドのセンサーデバイスが、標準品ではなく、「ため池管理システム」のために開発した専用品、というところ。

つまり、BraveGATEは、エンドデバイスやルーターの開発すら不要のIoTサービスのためのプラットフォームですが、個別のニーズに対応したデバイスを開発すれば、様々な用途にも対応ができる。

そのオリジナルのデバイスを開発する際に、活きてくるのが7月、8月に立て続けに発表したモジュール群を搭載した開発ボード「SonicBoard」シリーズというわけです。


さて、話を戻しますが、既にLTE-BLEルーターをBraveGATE対応デバイスとして開発済みであったにも関わらず、ため池管理システムで専用のルーターを開発したのは、実用化する上でのため池特有の課題があったから。

そもそも、ため池の周辺なんてまず電源がない!

外部電源が必要だと電源を引っ張ってこんといかんし、そもそも周辺の設置したい場所は下が土だったりするため、何かを設置するとなると基礎工事から必要な場合も。そして、それらは総て設置工事のコストに反映されます。

BLEを使う水位センサーやカメラは電池で動かせばいいのですが、ルーターに使うLTEは基本は電源が必要です。
そのLTEを電源が穫れない場所で動かすためには、ソーラーパネルと蓄電池が必要でした。

実は、最初に作った試作機は、Braveridgeの標準品のLTE-BLEルーターを、タカチの防水ボックスに入れ、ソーラーパネルと蓄電池で動かしていました。

ところが、それを設置する際、基礎工事から必要で、設置工事で100万円ほどかかったんですよね。
いくら機器を安価に作っても、それでは話にならない。設置費用も課題。

それだけではありません。

現場でポールを立てて、それにソーラパネルを付けて、蓄電池も付けて、タカチのボックスにルータ入れて、現地でそれらを総て配線する・・・

おっと、これ、誰がこのルータシステムの稼働を担保するんですかね?
工場で完成状態のチェックなんてされていない、現地配線ですよ?

そこで、Braveridgeお得意の「量産」の発想です。

金型を起こして、ソーラーパネルと蓄電池、LTE-BLEルーターを一体化!
工場を出荷する段階で完成品です!工場での検査を経ています。
それによって軽量化も実現し、設置もよりかんたんになりました。

さらに、各センサーとルーター間はBLE LongRangeを使って通信。電源も水位センサーとカメラには十分な量のCR123Aを積んでいるため外部電源不要。
つまり、デバイス間に全くケーブルが必要ない!
これも設置コストとメンテナンスコストを抑える重要なポイントです。

ソーラーパネル&バッテリー一体型のルーターのバッテリーには、屋外設置での温度を考えて全固体電池を積んでいます。

同じ二次電池でも、普通のLi-Poは動作温度範囲:0〜35℃、これでは日本での屋外設置はNGですね。
全固体電池なら、標準のメーカー保証で−20〜60℃、必要とあれば〜80℃まで保証も可能だそうです。

ちなみに、水位センサーやカメラに搭載しているリチウム電池CR123Aは一次電池ですが、こちらは−40~70℃。

というわけで、日本の屋外環境に即した安全性への配慮もバッチリ!

こうして全てのデバイスが外部電源不要、配線不要で、独立して設置できる。
これによって、
・遠隔監視
・機器コスト
・施工コスト(設置性)
・メンテナンス性
ため池の管理システムに求められる、全ての課題を解決しています。


そして、実は、この「ソーラーバッテリー一体型LTE-BLEルーター」、既に「ため池」以外の用途に使いたいという話もチラホラ…

要は、屋外で使用可能、外部電源不要、省スペース設置可能なLTEルーターですからね〜。

ここ大事ですよ!

で、それを簡単に稼働させるベースになるプラットフォームがBraveGATE。

この2つ、ポイントです!

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