みなさんこんにちは。マサムネです。

前回のブログではハード開発について書きましたので、今回はアプリ(スマホアプリ)開発について書きます。

今回開発するヒットセンサーは、業界初のスマホ連動型となるので、参考にする既存製品はありません。必要な機能や操作感は、様々なタイミングでその行動イメージを膨らませてワクワクしながら考えました。

先ず、釣り人が釣りの最中にどの程度スマホを触るか?
自分が何かを調べたくて能動的にスマホを触るのは苦にならないですが、
“このデバイス操作のためにいちいちポケットから取り出して操作するのは恐らくNGではないか”
と考えました。
また、そもそも濡れた手でスマホ操作しようとしても上手く操作できない(ロック解除もできない)し、まさに釣れたことをリアルで伝えるこの製品において、警報が鳴って竿に駆け付けている時にスマホ操作なんてできません。

ということは、釣行開始時に最初に接続設定した後は、極力画面操作なしで釣行完了できる機能が求められると考えました。
要は、釣り人の行動を想定して、アラームのON/OFFを自動的に行う機能です。

釣り人の動作としては、
仕掛け作り→仕掛け投入→待機→ヒット→格闘→取り込み→仕掛け作り→(繰り返し…)
のサイクルです。

既存のヒットセンサーでは、スイッチONにするとこの一連のサイクルのいつ何時であろうともとにかく竿が揺れたタイミングでブザーが鳴動し、スイッチOFFするまでけたたましい音が鳴り止みません。
この装置は魚が掛かったことを教えるためにあるので、ヒット時のみ鳴動して釣り人が気付けば、後はもう音は鳴らなくて良いのです。

次に、魚がヒットしたのか、波や風で竿が揺れているのか、判別つかない状況を如何に回避するかです。
釣り人心理として、波や風で竿が揺れているのも魚が引いているのでは?と思いがちですが、魚の魚信(※)は明らかに竿先に違う反応が出ます。
※魚が餌に食いついた動きが浮きや糸・竿を通して伝わってくること
これのみを抽出する機能が求められますが、これには竿の揺れを加速度センサーで計測して、閾値を超えるものだけをアタリと判定するロジックを持たせました。
この釣りマサムネブログの最初の投稿「加速度センサーを使ったシン・デバイス?」で書いたのは、まさにこの機能のことでした。

今回このアプリを開発するのは、当社のアプリケーション開発課のNさんとSさん。素晴らしいチームワークにより、想像以上のスピードと品質で開発してくれました。Sさんが、「今回の開発で大変勉強になった!」と言ってくれたのは嬉しかったです。
Nさんの後ろのホワイトボードに何やら動作関連の図が書かれていますが、文系人間の私には何のことやらよくわかりません(笑)。

これまでの単なるヒットセンサーと違い、スマホと連動させることで従来のヒットセンサーから飛躍的に機能向上させることができたと思います。デバイス本体の出来も然りですが、このスマホの機能があるからこそ実現できる機能がたくさん出てきました。
まだまだ書きたいことはありますが、今回はこのあたりで。


今回できたヒットセンサーのプロトタイプ装置とアプリを持って、いざ実釣テストに行ってきました。
ぶっ込み釣り(重い錘(おもり)の仕掛けを投入してアタリを待つ釣り方)と、アタリを待つ間退屈なので探り釣り(捨石などの隙間に餌を落として釣る釣り方)をしたのですが、電波も約100m程度飛びましたのでかなり広い行動半径になりました。釣れたら胸元でブザーが鳴るので飛んで戻れるのが良いですね。
まさに真価を発揮したタイミングでしたが、真夜中の防波堤を走って戻るのは、少し怖かったです。
皆さん安全第一で釣行を!

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