基礎的理解を解説していますが、今回が最後です。これが終わったら、実践的な設計に移行します。
今回は短くシンプルですのでご安心下さい。

【回路設計の基本の基】
①【デジタルとは、アナログの一種】⬅今回はコレ❗
②【直流DCとは、交流ACの一種】
③【設計には、交流ACは不要で、直流DCだけでOK❗】

④【必ず、電圧は固定(一定)❗】
⑤【オームの法則だけ知っとけば充分❗】
 

電子回路設計において、は何度も書いてるのですが、『電源電圧が変わったときは?』という中高での電気の勉強が全ての元凶です。
思い出すはずですが、『電源にスライダック可変電源』が登場するアノ試験によく出る問題です。
これもまた繰り返しになりますが
電子回路設計(初級編)①に書いてます。
https://blog.braveridge.com/blog/archives/209

実の所、私が電子回路を学んでいるときに、ボヤッと頭に残像があったのがこの課題です。
「電源が変わったら???」の恐怖感です。というか、不安感ですかね。

これを克服した時は今でも覚えてますが、『電源は結局、一定(固定)じゃないか!』と閃いたんです。
まぁ、そう思わない方も居られるかも知れませんが、私が設計に開眼した切っ掛けはコレでした。

これから、回路設計をする時の最初の1歩は

④『必ず、電源は固定で一定❗』

と言うことを頭に入れておきましょう。
電源が変わる・変化するなんてのは全くありません。
そもそも、大半の電子回路では、必ずと言って良い程、安定化電源(LDO/DCDC)を使いますよね。固定で一定です。
電池直でも、だいたい一定な電圧ですので、ほぼ固定で一定です。
だから、常に設計で使う電源は必ず固定で一定だという事です。

そして次に⑤【オームの法則だけ知っとけば充分❗】 って事ですが、「オームの法則をどう使うのか?」というのも悩みでした。
何と言っても、V=R・IにはVとRとIという3つの変数があるので、こんがらがります。
直感的には3次方程式の様な感覚を持ってしまいます。これが私にとっては、難問でした。。。

では、この『オームの法則:V=R・I』なんですが、④で私は書きました。「電圧は固定で一定!」と書きました。
ということはVは変数ではなく、固定の定数って事に成ります。つまり○○V(ボルト)という数字が入ります。
これで、変数は2つに減りました。

そして、RとIなんですが、電子回路設計で必要な事は『意志』なんです。
「この部分の回路に△△mA(ミリアンペア)を流したい」という意志です。

分かりやすい例としては、「LEDに何mA流したいか?」と言うことです。当に意志です。

そして、その『決定の意志』をどういう根拠で決めるのか?って事なんですが、これは経験です。
例えば、赤LEDに流す(「流れる」ではなく「流す」です)とどの位、明るさは変わるのか?という大体の経験値です。
私なんかは、1回実験した記憶がありまして、
1mAだと暗いかな~
2mAだと行けそうだな~
3mAは明るいな~
5mAは明るすぎないか??
10mAは5mAと変わらんな~。5mAと明るさが変わらないのならば、5mAの方がお得だな~
みたいな経験値です。
大体こんな感じの経験値で決めます。
データシートには、ルクスという単位でのグラフが有ったりします。Luxです。
しかし、データシートで「○○Lux位で良いだろう~」とか決めてる様に思われますが、あまりアテに成りません。
実際に光らせてみて、「3mA位でいいかな!?」とかテキトーに決めてますw
実際、回路設計ってこんなザックリした感じで決めるんです。テキトーですw
でも、これで充分なんです。
大雑把でOK❗コレこそが奥義ですwww

電池寿命をギリギリまで伸ばしたい時なんかは、1mAでも良いかな~?とかいう事はやりますが、あまりしませんね。

では、ここで「I(A)をどの位、流したいのか」を決めました。
V:電圧は固定で一定なので、既に定数❗
I:これも意志を持って決めましたので、定数になりました。

すると、『オームの法則:V=R・I』はRを除き、全て定数になりました。
こうなると、
R=V/I
でR値が答えとして出てきますよね。

これが、オームの法則の使い方です。簡単でしょ!?

実際、オームの法則はこう言う使い方しかしません。これが基本です。
何はともあれ、『電圧は固定で一定』という所が大きいですよね。

これで皆さんも、オームの法則使いのプロです。ほんとコレだけです。

折角なので、もうちょい踏み込みます。オームの法則の使い方です。
何かICを使う場合を想定します。④電圧は固定で一定なので、Vは定数ですよね。
ICって消費電流(mA)が仕様書に記載されています。これも固定です。
すると、IC全体のR(Ω)を計算できますが、「IC自体のR(Ω)を計算するのか?」と言うことになります。
少なくとも、VとIが定数なのでそう成りますよね。

結論からすると、「計算しません❗」

理由は、
この計算ででるR(Ω)は電源に対する負荷抵抗Rとなるわけです。これを内部抵抗Rと言っても間違いでは無いです。
ICを作ったメーカーは、なるべく消費電流(mA)を下げよう!下げよう!と設計したICです。
ここで、ICメーカーのエンジニアが「何mAにするのか!」の意志を決めてますから、私共はそれに従うしか有りませんよね。

だから、我々回路設計者は「仕様書上で何mAと成ってるんだから、そういう事なんだな~」程度で良いわけです。
IC設計者の意志(mA流す)を受け止めるってことだけなんです。

回路設計時に、より消費電流を下げたければ、メーカーを変えて別のICにする意志は我々回路設計屋には有りますが、その程度です。

これから、本格的な設計に移っていきます。

この実践編に必要な回路設計の基本の基が身に付く様に、チョイチョイ登場させます。
実際に良く使います。

そして、設計というのは、必ず『意志無くば、設計出来ず❗』と言うことも大切です。
Microsoft OfficeでもAdobeシリーズでも、各設計用CADでも、動画の編集でも、全ては『意志無ければ』一切設計出来ません。

回路設計には、
《何を作りたいのか》
が必ず必要です。

では本格的な設計へ移行して行きましょう。

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