電子回路設計(初級編)① ~オームの法則~
Braveridgeの元CTOである私は、実は芸術工学部卒ですw
電子工学部や電気工学部を卒業していませんw
大学時代の1年生末に、電子工作にどハマりしまして、独学で回路設計を学びました。
幸いな事に、今では「考えている事を全て回路図で表現できる」迄になってます。無線の設計もしかり。
旧職のパナに入社した時点では、有名大学の電子工学部系出身者の誰よりも回路設計を分かっていました。
そういう、ド素人基準で始めた電子回路設計のノウハウを《初級編》として書いていこうと思います。
実際の話として、同パナの開発研究所の社員であっても「LEDの点灯」すら出来ない人がかなり居ます。
出来るだけ多くのエンジニアが、回路設計ができる基礎知識を私が死ぬ前にまとめていこうと思いますw
回路設計は、まず最初の基礎を覚えておけば、その応用と活用で何でも回路図を作れます。
是非、回路設計が出来る人が増えて欲しいので、このシリーズを始めようと思います。
私の教え方は、「先ずは、有る程度テキトーに、イメージで掴んで貰う」教え方ですw
「正確で有ることよりも、イメージを掴んで、使いこなす方が正しい」と思っています。私もこの派ですw
なので、イメージを掴んで頂く為に、少々嘘も入れていきますw しかし、必ず回収しますのでご安心ください。
杓子定規な反論は、大学の教本の中でやって頂ければと思いますw 殆ど価値がありませんがww
工学博士号を持っているのに、LEDも点灯できない様な自称エンジニア(屁理屈エンジニア)な方々は対象外ですw
結構居ますw
実際に、回路を理解しようとしている方が対象です。
では、先ず、
《オームの法則》から始めます。
中学理科・高校物理でこの法則を学びますが、ド素人で始めた頃もコレの使い方の記憶のお陰で難儀しました。
そして、その嫌悪感から独学で学ぶ私の理解を混乱させていたんです。
私なりに解説します。
私の子供にも私の理解で高校物理の電気を教えましたが、それで全て解けてましたので大丈夫でしょうw
下の図を見て下さい。私も含めて《オームの法則》の理解を難しくしている諸悪の根源がこの中学理科の左側の問題だと思っています。
「電圧を変えたらどうなる?」問題です。
これが、混乱の根源だと思っています。
この問題のお陰で、《オームの法則》は、V=R・Iの3変数の全てが変わるイメージになってしまいます。
実際の回路設計では「電圧は一定(固定)」です。不変です。正しく言えば、「一旦決めれば変わらない!」と思って下さい。
これで3変数の1つは定数(数字)になります。3vとか5vとか9vとか12vの様な定数です。
一旦決めれば、定数です!
中学生や高校生のご子息に教える時は「電圧が変わる問題」がでます。これを解かねばなりません。
その時は、
「電圧は絶対固定!だから『変えて、そこで固定!そして定数として計算!⇒そして再び可変して固定!これが可変!』と教えたら良いです。
これで大抵の問題は解けます! 経験者ですw
V=R・Iの内、Vが定数としましたので、残りの2つが変数です。
次に、回路設計で最も需要!なのは、
「貴方(私)が流したい電流値(A)は幾つ?」という意志。
1Aなのか0.5Aなのか0.1Aなのか?どの位の電流を流したいのか?という貴方(私)の意志を決めます。
すると、I(A)が定数になります。残りの変数はRのみです。
オームの法則をちょっと変形すると、
R=V/I
です。Vが定数、Iも定数⇒当然R(Ω)が計算できる。 当たり前です。超簡単です!
これが《オームの法則》の正しい使い方なんです。簡単ですよね。
ただ、その「貴方(私)が流したい電流値(A)」が分からないというだけです。
実際の回路設計でも「結局、何Ω(オーム)になる?」という会話をします。
だから、
《R=V/I》の方が使い勝手は良いんです。
この回路では、電源(電池)と抵抗1つR1のみです。
「このR1にどれだけ電流を流したいのか?」が設計の意志と言うことです。
R1はイメージとしては、豆電球辺りをイメージしたら良いと思います。
電流を沢山流せば、より明るく光ります。
電流を少なく流せば、暗めに光ります。
これは大丈夫でしょう。
※「各種の抵抗値違いの同型の電球があって選択できる状態」という前提での話で進めます。
※「電圧は固定です。電球もその全てが、**V使用!と指定されている」前提です。
これは分かると思います。ではどの位電流を流せば丁度よいのか?となります。
それは、「自分で実際に見て、自分の意志で決めれば良い!」って事なんです。
正解は無いんです。『自分の意志』です。だから人に依って、事情によって、変わります。
これが『貴方(私)がR1に何A(アンペア)流したいのか?」って事なんです。自由です。
実際にやってみて、自分の決断を決めても良いって事です。正解は無いんです。
すると、「その結果としての明るさ(電流の大小)をR(Ω)の値を変えて決める」のが設計です。
実際には何A(アンペア)でどの位の明るさか?は、やってみないと分かりませんよね。
そして、
1A流れる電球⇒明るすぎた
0.5A流れる電球⇒丁度よさげ
0.2A流れる電球⇒意外と丁度良い気もする。0.5Aと少ししか変わらない感じ。
0.1A流れる電球⇒ちょっと暗いかな~
という結果がでれば、0.2A位が電流が0.2Aが一番良さげな決定ですって事です。
「0.2Aでも充分なのに、0.5Aも流したら、電池が早く切れる」というのもイメージできるかと思います。
これが、「(一定の電圧で)最適な電流値を自分の意志で決める」
=結果的に「(一定の電圧で)抵抗値を決める」と同じ事になります。
という事です。
コレだけで、かなり気楽になったと思います。
また、ここまで分かれば、Vは固定ですので、「Rを決めたらIが決まる」というのも理解出来ると思います。
実際、Rを「この位Ωにしとこ~かね~。その時何A位かね?」という会話も良くしています。
しかし、『V固定』としただけで、こんなに簡単になるというのを理解して頂ければと思います。
実際の設計では、もう少し簡単なんです。
実は、電球を使った説明はあまりリアリティが無いのですが、「こ~んなイメージ」位の理解でOKです。
どうせ、こんな回路なんか作りませんし、全く実用的では有りませんので使いませんw
今回は「電圧は固定!そして、貴方(私)は何Aの電流を流したいのか?」という意志と《オームの法則》は一体だという事を理解して貰うのが目的です。
初歩中の初歩ですが、理解して頂けたでしょうか?
これがスタートです。
まず、《オームの法則》の正しい使い方をマスターして頂けたら、次回はもう実用的な話に進みます。