概要

Braveridgeの都市ガス事業者向けIoTサービス『ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム』では、Nordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)の新世代低消費電力SiP(System-in-Package)“nRF9160”と、アプリケーション開発だけでIoTを実現するクラウドサーバーレスのサービス“BraveGATE”を使用しています。

これは、“nRF9160”と“BraveGATE”の両者を組み合わせて開発されたセルラーIoTサービスの世界最初の実用化事例です。

この両者の組み合わせによって『ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム』は、構想から僅か6ヶ月に満たない開発期間で試験運用を開始。
その分、システムとしての有用性検証/確認、アプリケーションのユーザビリティ向上などに十二分の期間を確保したうえで、構想から約1年というセルラーIoTサービスでは異例ともいえる短期間で、高い有効性と信頼性を備えたサービスを実現しました。

ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム

「ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム」は、都市ガス事業者の差水対応の作業負荷を劇的に軽減するリモート監視IoTサービス。
低消費電力で広域通信が可能な携帯回線(LTE-M)を活用し、小型軽量で施工性・拡張性が高く、リーズナブルなコストで設置・運用が可能なため、複数箇所に設置して、差水対応に際して必要となる原因箇所の特定、修理後の経過確認などの作業負荷を劇的に軽減することができます。
「ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム」では、通信ユニットのコアとして“nRF9160”を採用し、“BraveGATE”サービスを通じてデータやコマンドを送受信しています。

ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム

Nordic Semiconductor nRF9160

nRF9160SiP

“nRF9160” は、Nordicが開発した、新世代の小型・低消費電力セルラーIoT向けモジュール。
LTE-M / NB-IoTに対応したLTE通信モデム/RFフロントエンド/パワーマネージメントに加え、さらにユーザーアプリケーション専用の32bit MCUを統合したSystem-in-Package (SiP)です。
そのサイズ、価格、低消費電力性能、高度な回路集積、マルチモード機能、少ない周辺部品とどれをとってもすべてがテクノロジーの最先端。nRF9160を使った開発では、外部MCUが不要となり、UARTの割込対応やコマンド解析も一切不要となるため、LTE-Mを利用するIoTで頻発する多くのトラブルから解放されます。

Nordic Semiconductor nRF9160

BraveGATE

“BraveGATE” サービスは、IoTシステム開発における課題である「長期間におよぶ高コストなシステム開発」を一切不要とし、アプリケーション開発のみで安定したIoTを実現する革新的な統合クラウドIoTサービスです。
「DIY」スタイルの開発を要する従来型のIoTプラットフォームとは大きく異なり、“BraveGATE”はいわば完成品。アプリケーションサーバー以外のサーバー開発が不要となるため、開発者はアプリケーション開発のみに注力することができます。
IoT業界で主流となりつつあるLTE-Mを使ったIoTの開発は、実際のところ実に複雑で難解です。BraveGATEサービスでは、開発者が直面するエラーやリブートが頻発する現象を全て解決済み。LTE-Mを使った端末とそのIoTシステムの開発を飛躍的に短期間で実現します。
実績では各社6ヵ月程度でのサービスインを果たし、既に日本全国の1000台以上の機器で1年に渡る安定した連続稼働を続けています。

BraveGATE

nRF9160とBraveGATE

BraveGATEは、その開発段階からnRF9160との組み合わせを前提にテストを繰り返し、nRF9160との最適化を図っています。
外部MCUが不要でUARTの割込対応やコマンド解析が一切不要となるnRF9160をデバイスのモジュールとして採用し、その通信回線とネットワークを含めたIoTシステムの基幹部分にBraveGATEサービスを使用してIoT開発を行うことにより、LTE-Mを利用したIoTに起こりがちな多くのトラブルから解放され、極めて短期間で信頼性の高いLTE-Mを利用するIoTサービスを実現することが可能になります。
さらに、圧倒的な低消費電力を誇るnRF9160と、ダウンリンクによるセンサー情報取得が可能なBraveGATEサービスによって、IoTデバイスの低消費電力化を最高レベルで実現し、LTE-Mが有する本来のポテンシャルを最大化することが可能となります。

『ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム』での導入効果

「ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム」は、この “nRF9160” と “BraveGATE” の組み合わせによって開発されました。
通信ユニットのコアとしてnRF9160を採用し、BraveGATEサービスを使ってデータ通信を行う構成としたことによって、構想から僅か6ヶ月に満たない開発期間で試験運用を開始。早期試験運用が可能になった分、システムとしての有用性検証/確認と、アプリケーションのユーザビリティ向上の期間を十二分に確保したうえで、構想から約1年で商品化を果たしました。
これは、LTE-Mを使ったIoTサービスの開発に一般的に2-3年を要していることを考えると、驚異的で異例な開発スピードといえます。
また、LTE-Mを使ったIoT通信部分に開発リソースを割かずに済み、センサーやアプリケーション周りの開発に注力することができました。

nRF9160とBraveGATE。
そのどちらが欠けても、このような短期間でこれだけの有効性と信頼性を備えたサービスは実現しなかったといっても過言ではありません。

参照リンク

SNS SHARE