糸島工場からの発信ですが、ここ1年半ほど組織メンバーの入替えがあったりして間隔が空いてしまいました。これから、心機一転、再開していきます。
そして、何を隠そう、私自身がその入替わりメンバーの一人でして、Braveridgeに入って約1年が経過しようとしています。
その私が、当社のモノづくりについて語ってみたいと思います。
 
私は過去、某電気会社で開発や製造に携わってきましたが、その頃のモノづくりと比較すると、ここBraveridgeに入って当初は驚きの連続、単に製造業務の進め方というよりモノづくり文化の違いといったものを感じていました。
 
その違いになりますが、以前の職場は従業員が何千人という大規模工場、月に何万台と流れる大量生産、基板実装や成形機といった源泉から完成までの一気通貫スタイル、開発からの引き継ぎも設計完成度をよくよく検証した上で量産開始というものです。
量産開始後も、一般の生産においてはよくあるように作業能率、総合能率、編成効率、直行率をはじめ様々なKPIを用いて実績の管理を行っていました。
社内の至るところにそういった計画実績対比を表す掲示が溢れ、週次、月次ベースの生産会議ではそういう話に終始するといった具合。
そういう内部だけの話で業務をこなしているかのような錯覚を持っていたのではと、今思い出すと反省しきりです。
 
一方、ここBraveridgeでは、開発から製造へ引き継ぎ、量産に至るというステップは同じですが、圧倒的な違いはその移行が圧倒的に早いということにあります。決して、品質や生産性を無視している訳でもなく、必要な移行ステップを飛ばしている訳でもありません。
打てば響くといえばよいのでしょうか、形式にとらわれず、だれかれ関係なくものごとに従事し先に進んでいきます。
 
当社は基本ベンチャー企業です。
常に斬新なアイデアを具現化し市場に問うていかねばなりません。
入社後、こういうベンチャー企業のモノづくりとはどうあるべきかというのをずっと考えてきましたが、最近になってようやく解がみえてきたように感じます。
 
製造の基本はQCD、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)ですが、この中のDはベンチャー企業にとっては単なる納期の遵守というよりも、T(Timing:売り時)ではないかと感じます。つまり、アイデア・企画を如何に早く具現化し上市できる状態にする、このスピーディさを求められているかと思います。
 
では、何故、このスピーディさが当社で得られているかですが、一つは組織のシンプルさ、一つは個人役割を決めつけない、制限しないというのがあります。
 
組織の壁をなくそうとはよく言いますが、ISOを取得している企業である以上、決められた職務分掌やルールを無視することは出来ません。
 
ただ、よくよく考えるとルール通りに行う業務には、部門間、個人間の意思疎通、コミュニケーションが多く占めていることに気づきます。
それがメールで何度もやりとりしたり、ハンコをいくつも必要とする書類を作ったり、会議に提出する資料づくりであったり、本質以外のところに相当な時間をかけているのではないでしょうか。
 
何しろすべて人が介在しているのですから、インプット・アウトプットというステップは守りながら、F2Fのコミュニケーションを徹底的に大事にすることでかなりの時間を節約することが出来ると思われます。
 
そして、関係者が全員、情報を共有することだけでも自然とコミュニケーションがとれますし、今何が起きているのか、何をしないといけないのか、誰が何をしようとしているのか、誰か困っていないか、これらを関係者が一様につかむことが出来てくると、それこそ日本流かもしれませんが、個々の責任感向上や助け合い精神にもつながり、いつのまにかプロジェクトチームの形になっているようです。
 
このような環境、状況が当社のモノづくりにはあるとみています。
だからこそ、スピーディなモノづくりが可能となっています。
 
シンプルな組織、縛られない職務分掌、守れるルールづくり、IoT企業ながらもF2Fコミュニケーション重視、これらで今後もQCDというよりQCT遵守を目指したいと思います。

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