《 Braveridge Monitoring Service ため池管理システム 》
の発表に合わせまして、このシステムがどの位通信できたのか?のデータも公表します。
さらに少し踏み込んだ、無線通信の技術論も合わせて公開します。
このため池監視システムの最大の特徴は、センサーと通信部が独立した完全無線システムと言うことです。
センサー:独立型BLE水位センサー/ 独立型BLEカメラ
通信部:独立型BLE~LTE-Mルーター
の構成になります。
カメラの撮影画像はVGAにしています。
これは、BLEで送信できる最適な画像サイズ+これ以上の画質は不要というユーザー側との相談の上に決定したサイズです。
この画像比較は次の機会に回します。
今回は、通信距離について。
Braveridgeは福岡市西区の今宿に近い所にあります。
見通しの良い空間として、今津湾(JR今宿駅近く)を利用する事が多いです。
カメラ画像をBLEで送信する場合は、通信のデータ量(ペイロード)が非常に大きいので、受信感度が落ちます。これにより通信距離はかなり制限されます。
そこで実際に発表前に実験をしたのが最初の画像です。
実績としてなのですが、この環境下で995m(ほぼ1km)飛んでいます。
この間をBluetooth Low Energy通信で達成している訳です。
【設定】
・カメラ&ルーター共に、BT5.0-Longrange設定(TxPower:+8dBm)
・カメラ/ルーター共に、地上1m設置(標準的ですね)
これはなかなかに凄い結果だと思います。
ただ、無線設計のプロとしては、より正確な表現が必要でもあるのです。
この環境は、「飛びやすい」のです。
「海上を越えての通信距離は3倍位遠くに飛ぶ感覚」を持っています。
その理由は、2枚目の写真を見て下さい。
無線の電波は、直接相手に向かう電波が、地面からの反射波で打ち消される分があるのです。
なので、送受信の双方が高い場所であればあるほど余計に飛びます。
山の頂上と麓間の通信なんかは良く飛びます。
海上は?これは諸説あるのですが、
・海岸線と海とに高さの差があります。これは1m以上はあります。
・海上の波で、反射波が乱反射して打ち消すエネルギ-が落ちる。
こんな感じで、どちらも結局、反射波の影響が落ちるという事なんです。⇒3枚目の写真を参照。
3枚目の写真ですと、海面と陸上側の高度差が良く分かります。
弊社やNordicの参考値としてですが、
「完全な平地でのBT5.0-Longrange(+8dBm)通信は1.0km程度。BT4.2(+4dBm)の通信距離は200m程度。※平地/1m高間」
というのが実績です。
これはちゃんと無線設計ができる設計者ならば、容易に達成できる通信距離です。
弊社の無線エンジニアが、実験した感覚ですと、500mポイントまで緩やかにRSSI値が下がっていき(これが陸上部)、右側へ弧を描くように曲がっていくと、RSSI値が復活してくるそうです。これが海上通信状態になります。
肌感覚としては陸上通信部で、カメラ画像の送信は350~500mは行けてる感じだそうです。
又近いうちに、完全な平地の場所を探し出して、試験してみましょう。
無線とは環境を考慮して設計していかなければ成りません。
今回の《ため池監視システム》はため池の水面と通信部がかなり高さが取れていますので、実際に1km近く飛ぶ筈です。
いかがですか?
無線設計のプロが設計すると、この位は平均的にパフォーマンスを出せるという記事になります。
参考になりましたでしょうか?
これは小橋が書いてますw
どこか、広~~~い、平地が近くにないでしょうか?
探していますw
ため池20.jpgため池21.jpgため池22.jpg

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