『日本の電気産業が凋落した原因分析』について。

先程、FBでこう言うNewsが流れてきました。
《日本の電機産業はなぜ凋落したのか》

話題書『日本の電機産業はなぜ凋落したのか 体験的考察から見えた五つの大罪』(桂幹・著/集英社新書)』
著者が指摘する凋落の原因は、
【0←多分】プラザ合意の円高に加えて、
【1】品質による差別化が困難になるデジタル化
【2】他国は日本に追い付けないと思い込んだ慢心
【3】経営層やエリートを守って、現場をリストラする中途半端な日本型雇用改革
【4】明確なビジョンを示せなかった日本の組織
という4つ(円高を含めたら、5つ?)を挙げている。

Amazonの書籍の帯を観ますと
①誤認の罪
②慢心の罪
③困窮の罪
④半端の罪
⑤欠落の罪
という五大罪が原因だという御主張の様です。そして、どうやらこれらが日本の電機産業の『失敗の本質』なんだという御分析・御主張の様です。

まぁ、私よりも明らかに、立派な経歴をお持ちの方ですが、買って読む事は無いと思います。
批判しているのでは無く、そもそもビジネス書を読まない私ですから。
御興味のある方は購入されて、読んで頂いて、充分以上に内容について理解して頂いた上で、ぜひ議論をしてみたいもんです。

実はこの手の分析(原因論)の結果ってワリと直接耳にすることは多いので、あ~似てるな~とは思えます。
五大罪の部分は抽象的過ぎて、ちょっとどう言う内容を書かれているか不明ですが、なんとなくこれまで聞いてきた原因論の論調に近しい気もします。
なので、Linkの紹介にある4原因論(円高含めたら5つ)について考察すれば充分でしょう。

改めて、記述しておきますが、これらは全て、私の周辺で「聞いた事はある理論(原因論)」です。

基本的に私はこの論調は間違っては居ないんんでしょうが、真の原因では無いと思っています。
この手の分析は知ったところでどうしようも無いですからね。
特に、プラザ合意後の円高が~といえば、そう言う社会情勢がもう一度は来ることは無いので。

この私の分析と解釈は、旧職時代を9年間~独立した中で、これまで実際に国内外で「観て・体験し・聞き・入手し・議論し」てきた結果の私の理論です。
しかし、なんの信頼も信用もない、田舎マイクロ企業の55歳若造社長の理論ですのでw そこら辺は少々差っ引いて読んで頂ければと思いますww
因みに、旧職の大企業歴は合計で九年間ですので、そこら辺も経験浅い田舎者社長の言い分だという事は事前にお断りしておきますw 
いや、ホントにw

ただ、幾ばくかの参考にでも成ればな~と思っています。

結論から先に言います。
それら課題や問題点が分かったところで、この現状は避けられなかったんです。それは、

『グローバルな営業力の後退』

これだけです。
では、次段ではその内容について解説します。

『グローバルな営業力の後退』❓

『グローバルな営業力の後退』とは何か?
先ず最初に言っておかねば成らないのは、『営業部(課)』の凋落という意味ではないです。
会社全般としての『グローバルに打って出る営業モチベーション』の後退という意味です。

とある会社内の部長(事業部長・役員)からの発表です。
「皆聞いてくれ。当社としてはインド中央部に工場を建てることになった。これは会社に取っては社運を賭けた決定だ。
 だれかこの工場の立上げから駐在を希望する者は居ないか?駐在期間は5年と思っている。誰か希望者は居ないか?」

さて、部内の様子を部長側から観て(想像して)みましょう。

全員が下を向いている筈です。
指名されないように!絶対に目に止まらないように!下を向いている事でしょう。
恐らく、全員がそうでしょう。違いますかね?w

勿論、中には「我こそは!」と手を上げる方も少数ですが居るはずです。もの凄く少数派ですがw 
因みに私は『条件付きの《我こそは❗》人》でしたw
条件付きとは、若い時からアメリカかぶれの兄ちゃんだった為、「アメリカ駐在ならば!絶対行く派」という条件付人間ですw
東南アジア・中東・南米・アフリカ・ヨーロッパ駐在となると、完全に下を向いてる側でしょうねw 間違い無くw

更に踏み込んで言うと、「誰かをお前の部署から、駐在要員として出せ(社内の人事異動もそれw)!」と命令を受けてしまった管理職の立場を考えます。
自分の部署から、人を出せといわれれば、人が減るわけです。
自部署の戦闘能力が落ちる人材を差し出すでしょか?w 出すわけが有りません。
では、渋々人選をしたとすると、どう言う判断をするのか?を考察すればTOP人材を差し出す事は100%在りませんよね。
全員がそうというワケではありません。志ある管理職はTOP級を差し出す事も実際は在ります。
しかし、平均としてみれば。。。とお察しの通りなんです。
話は変わりますが、技術から間接部門へ「技術の分かる○○が必要だから、人を出せ」のケースはワリとBOTTOM側から人選されるのが組織ってもんですw

これが結論です。これだけです。

色々と分析や解析や解釈をした所で、全ての問題の根幹としては、この『海外に行きたくない派』が圧倒的多数だという現実があるんです。
因みに、私の様な米国かぶれのインチキでなく、どこの国でもという条件付下での話です。
これで、世界中への営業販路の拡大なんか出来るでしょうか?
無理です。

私は2000~2001年の米国駐在時に何カ国か南米へ出張してます。
その時、南米の空港出口でみた大看板を観ますと、Samsung/LGの看板は全ての国で観ました。どこ行ってもです。
日系の電気メーカーの看板は観ません。

色々と確認した所、韓国samsung/LGは世界各国に拠点を設けているそうでした。
当時、パナの販売拠点といえば、メキシコ・ブラジルが最大拠点で、アルゼンチン、ペルー、パナマあたりに1~2名のみ。
ブラジルの拠点で遠隔・出張ベースの営業活動でした。

2000年時点でそう言う感じですから、韓国が台頭してきたのはその前からですので、その時からもう負けは決まってるんです。
勝てるワケが無いのは理解できるかと思います。

因みに、この頃、韓国企業は日本企業だと現地では思われていましたね。その位、販路確保の活動はアグレッシブでした。

私には、米国人で営業の師匠が居ました。
駐在時代にこの方に徹底的にしごかれたんですが、社外の方でモトローラ社のカリフォルニア地域の営業の方です。
この方との会話の中で、2000年には既にこの論点の会話と議論をしています。
「海外に行きたがらないのは、アメリカ人と日本人だけだ!」とのこと。

アメリカ人が海外に行きたがらないのは、「アメリカ イズ ナンバーワン❗」だから行く必要が無いという考えが一般的なんだそうです。
実際、当時その師匠曰く「アメリカ人の70%は一生で一度も海外に行かない」という事でした。
これは彼のMBAの最終論文のテーマだったと言って有りました。
そして、日本人が海外に行きたがらないのは、「日本の生活が素晴らしく幸せで満足しており、それを壊したくないから!」との事でした。
これは未だに当たっていると思っています。

ヨーロッパ企業の外国人にもよくこの事を確認してきました。
ヨーロッパの企業であれば、「アフリカの僻地に五年間の駐在希望を求めたら、殆どのヨーロッパ企業の社員は手を上げる」とのことです。
ドイツでもフランスでもイギリスでも。
家族全員で僻地のアフリカ諸国に駐在に希望するそうです。単身赴任ではなく。

そして、韓国の現地企業のCEOなんかにも聞いた事が多いんですが、「韓国人はほぼ皆が希望する」とのこと。

如何でしょうか。
勿論、冒頭に紹介した書籍内の分析も正しいんでしょうが、実はそれらが分かって居たとしても、日系電気産業の結末は変わらなかったでしょう。
また、物見遊山で海外生活満喫~なんて駐在では全くダメなのは当たり前です。駐在員にはそう言う人もまぁまぁ居られます。
私の経験ですと、香港・シンガポール辺りに多いですね~www

そして、米国人と日本人以外は殆どの国の人が「自国の生活に全く(色んな原因で)満足していない」という意見が多数でした。

では、実際の私が体験した話です。
2000年正月明けに、米国カリフォルニアのSanDiegoに駐在が始まった私です。
駐在し、家を決め、家電を買いに電気店に向かいました。直ぐに必要なのは、①冷蔵庫②洗濯機③掃除機④電子レジ、そして⑤テレビです。
当然、パナの社員ですから、会社に貢献しようと「米国駐在させてくれた恩に報いて、パナ製で揃えるか~」と電気店へ。
①②③④でパナ製が一切有りません。あるのは、日本では聞いた事も無いWhirlpool(ワープール)社製品だらけ。一部にSamsung/LGも有ります。
無いのは、パナだけでなく他の日系メーカー製も一切有りません。売ってませんでした。
韓国製があるのに、日系は全く無いんです。

しかも、そのWhirlpool社製の「最新テクノロジー❗」として2000年当時に各販売店で注目されていたのが、日本では1982年に日立が発表した「からまん棒」構造のモノw
1982年に業界を揺るがしたあの「からまん棒構造」が2000年の米国で最新型として登場していたのですw
18年ものギャップ❗❗w 衝撃を受けましたw
しかも、2000年当時で、洗濯機のボタン類はタッチセンサーやソフトタッチでなく、5mm~10mm程も押し下げるメカニカル・ボタンばかりw
「ガチャ❗」と押し込むあのボタンですw

せいぜいテレビだけは日系と韓国系が並んで居ましたが、白物家電に関してはもう全く売られてませんでした。
ここで注目すべきは、Samsung/LGは販売店で売っていたと言う現実です。

旧職時代にパナの販社へ出頭した際には「何故、パナ製の白物家電は米国で売ってないのか?」と聞いた事があります。
答えは「大物家電は消費国の現地生産でないと、コストが合わないんだよ」とのこと。
勿論、円高の事も言われては居ましたが。。。

しかし、電子レンジも無いんですから。湯沸かしポットも無いです。髭剃りも。何でもかんでも無い。
日本の電気店にある最新式は見当たらないんです。
2000年で米国での洗濯機の最新付加価値が「からまん棒」ですからね~。そういう状況だったのに。。。何故?
勝ち筋は何か有ったのでは?と未だに思います。
改めて言いますが、Samsung/LGは有りました。

私「韓国勢がやれてるんだし、日本も現地に工場建てて売れば良いじゃないか❗❗ティファナ(メキシコ)生産もあるだろ❗」と何度も思いました。

これが、米国でもこんな状態でして、南米やアジア諸国やアフリカは押して察すべしです。
シンガポールなんかにはAKIRAとかいう名前は全く和風なのに、日本とは関係のないメーカーがメジャーでしたねw

因みにですが、中東エリアではどうかというと、シンガポール在住インド人が日本企業から買い付け、暴利で中東エリアに販売し大儲けしてました。
このインド人は良く知ってましてw トンでも無い金持ちw シェントンウェイにビル建てるわw ロールスロイスのリムジン持ってるわw
そんな金持ちなのに、一緒に高給中華料理を食べに行ったら、1個70円の饅頭を食べてないと支払で大喧嘩してるような奴ですw
「お前な~食べてただろ!」とw
円高なんかよりも暴利を付けて、儲けてるんだから直接現地で販売すればよいのに!と何度も思ったもんです。

しかし、無理なんです。
なぜなら、日本生活が幸せ過ぎて、海外駐在なんか行きたくない人ばかりなんですからね。無理です。

因みに、「英語力」云々の話でも無いんです。ただただ、日本の幸せな生活を無くしたくない人が殆どなんです。

ここまでの結論をまとめますと、
方法論や解決案が分かったとしても、海外駐在なんかしたくない日本人ばかりである以上は、この様な事態は当然やって来てたというワケです。
それもこれも、米国人と日本人だけは世界で珍しく「自国生活が(比較して)幸せだと思っている」という現実。
これは、米国が苦しんでいた時代でも!です。
日本人は、その余りの幸せを失いたく無いかたが殆どなんです。

そして、一見幸せそうに見えるヨーロッパ諸国の人達も実は「自国生活は(今のままでは)幸せでは無い」という現実。

これは、2023年の現在でも変わっていないと思います。

ここでちゃんと言っておかねばならない事があります。
「日本での生活が幸せだから海外駐在したくない」という感覚と、「グローバル進出での勝負」は社会的に基本はトレードオフになると思ってます。
だから、「幸せ」な方を大抵の日本人が選択するのは当たり前でして、悪い事では無いんです。
その反面「グローバル進出したいと日本企業が求めても、行きたい日本人が少ない事による結末」は、しょうがないことなんです。
これがダメだとは思いません。
それはそれで素晴らしい事でもあると思う私です。ただ、その反面犠牲もあるという話なだけです。

しかもこれは、今後も変わらないと思います。
実際私も、「日本の生活はほんっとに幸せだな~」と実感しますし、以前よりも一層そのように感じます。

良く「日本は将来ダメになる・落ちぶれるのは間違い無い派」の意見を聞きますが、それは100%無いですw
日本は今後もこの幸せは続きます。ただ、今の米国の幸せとは異なります。他の国のそれとも異なります。
この日本独特の幸せ感を失う時がくることは無いでしょう。

そういった中でも、グローバルに成功を収めている企業は存在しています。
私の解釈では、グローバルに生き残る為には死に物狂いで海外進出しなければ生き残れないと確信して活動した企業のみなんです。
それら企業は、「(プラザ合意後の)円高」でもしぶとく海外進出し、生き残ってますよね。
何が違うんでしょうか??
恐らく、グローバルで生き残り成長している企業様は、その『危機感の感度』が圧倒的に違っていたんだと思います。
その本気度が高かった企業は海外でも圧倒的な強さを見せ、発展しています。

昨今のNewsでは、「海外に寿司職人として行けば年収で○○〇万円稼げる❗」から出稼ぎに~!とか良くNewsで見ます。
そう言うミクロな視点じゃないんですw
昔から、日本を飛び出して、海外で働く日本人は男女問わず居られますから。

日本人ってそう言う人種なの?

では、日本人は元からそうだったのか? 『否』です。

明治維新後の日本人は、それはそれは考えられぬ程のグローバルな行動力を発揮しています。
また、
大東亜戦争後の昭和の日本人も、今とは比べ物にならない程のグローバルな行動力を発揮して、戦後の電気産業を成長させました。

全て、退路を断たれるほどに追い詰められると、日本人は途端にグローバルな行動力を発揮する人材が登場し活躍し始めます。

これはなんとなく理解できると思います。

実は、パナもそうです。以下、御本人から聞いた話。
実は、ニュージャージー州にあるパナUSAの販売拠点(販社)がありまして、そこに本社側からの駐在員で有名な営業部長さんが居ました。
お名前は失念してしまいましたが、なかなかパナでは観ないタイプの骨のある営業部長様でした。
話を聞けば、ベトナム戦争前からベトナム松下の販社に駐在されていたとのこと。
ベトナム戦争が激しくなり、世界各国の企業が撤退をする中、松下幸之助氏に「ベトナム松下も撤退すべき」と進言した所、一蹴されたそうですw
その方はブチ切れし、ベトナムに残る覚悟をし、駐屯米軍向けに家電を売りまくり、パナの各国別売上で世界1位を達成したとのこと。
恐らく、サイゴン陥落(1975年)前には最終的に撤退したとは思うんですが、すごい根性です。
その話を直接聞いて「パナにも凄い営業マンが居るもんだ」と関心しました。
現代の基準ではコンプラ云々でサッサと撤退と言ったところでしょうね。

少なくとも、1975年頃まではそういう海外で勝負していた日本人は居たという事です。

今の基準ではどうか?とも思われるとは思いますが、そういう方々によって絶好調時の日本の電気産業は発展したというのも事実です。
そして、そのマインドこそが諸外国(中国・台湾・韓国)に負けているのが全ての根源なんです。

形だけのお洒落なグローバル営業ではなく、真剣勝負の根性ある『グローバル営業マインド』が負けている以上、勝てないわけです。
これが、私の分析する負けの根源です。

いかがです?

ではどうすれば良いのか❗❓正解は❓

では、どうすれば良いのか?

答えは、「分かりません」ですwww 正解なんか分かってたら誰も苦労はしませんw

分かって居れば、書籍でも出して、今頃著名人に成ってる筈の私ですw

中には「ふざけたコラムを書きやがって❗とお思いの方も居られましょうが、それが現実w

1つ確かなのは、
「新しい価値感の創出は出来ても、グローバルな販売拡大になると、そんな甘っちょろいもんではないだろうな」という事ですね。

アメリカも大変長い間、苦しみました。そして現代は、ハードウェアもソフトウェアも含めたIT産業で今のパックスアメリカーナがあるという現実。
日本もまた、同様に苦しみぬいて、新たな価値を創造・創出する人や企業が登場し、復活する日が来るに違いありません。

私はそれを、徹頭徹尾追い求め、その創出を達成してみせようとは強く思っています。

その視点で見ますと、ここ15年程の「アメリカでは今❗○○が注目されているんですよ❗遅れては成りませんぞ❗」騒ぎに加わるつもりは無いです。
だいたい、その時点でもう2番手以降ですよねw
しかもかなり『後位』の筈。所詮、真似事ですよね。
更に言えば、そう言う騒いだテックが日本で進化した様子はここ20年観られませんw

ちょっと冷静・冷酷に観察すれば、流行モノを常に追いかけている企業や人の騒ぎが当にハイプサイクルのピークをかさ上げしているだけでは?
と思うんですよね。
正直ベースで冷酷に分析しますと、そういうケースは多々見られます。

しかし、きっといつか近い内にそういう新しいスジの通った新しい価値を日本発で見つけ出せる感じはしています。誰かが!

その時は、グローバルに打って出る強心臓の日本人営業マンもセットで必要となるでしょうけどね。

 

果敢な中華系シンガポール人のS.C氏

私が経験し反省したある出来事があります。
シンガポールで無線ICを開発していたベンチャー企業のCEOとCTOと交流が有りました。
CEOは中華系シンガポール人。CTOはインド系です。

このCEOが私に相談してきました。
「お前日本人だろ。SONYを紹介してくれ!俺のICを売り込みに行きたい!」
というのです。

そう聞いた私は、
「イヤイヤ、お前のICをSONYが買うわけ無いだろ!?無理だって!俺も紹介するには責任があるし、絶対に採用されないって」と
当に日本人風ですw

すると彼、
「それはお前が決める事では無い!それはSONYが決める事だ!」と言うのです。

この会話は今でも覚えてるんですが、その彼の反論を聞いたとき
そりゃ~そうだなw おれが彼のビジネスチャンスをSONY社員でもないのに、勝手に判断するのは間違ってるなと猛反省しました。
こう言う所は、私自信にも、日本人のダメダメ・グローバル感が染みついてるな~と思ったもんです。
それにしても、このCEOのS.C氏は果敢だな~!と関心したもんです。
こう言う、根性がはてさて日本人ビジネスマンにあるだろうか?とも思いました。

恐らく
「いや~、こんなの外国に売り込んでも無理だろう」
「今更、海外進出した所で、二番煎じだし、上手くいくとは思えないな~」
等々が一般的ではないでしょうか。こういう感覚って日本人独特だと思うんですよね。
国内でのお取引の場でも似たような、場面をよくみます。

こう言う所は私も含めて、根っこで支配しているような気もします。

他にも、韓国のCEOやその他の友人達もこう言った《果敢なマインド》を良く目にしたもんです。
こう言う根性と闘えるのか?と思えば、中々日本人には難しいだろうな~というのが正直な所です。

こう言う所も、私も含めてなんですが、ネガティブなマインドがワリと染みついてると実感します。

このコラムで幸せ過ぎる日本人の環境こそが、日本企業の最大の問題と言ってる私ではありますが、自らがグローバル展開をするには当に私が先頭にたってやらねばならんと覚悟はしています。
これはまた大変だとは分かって居ますけどね~

技術よりも大変だとは思いますね。。。

技術屋オヤジのよもやまばなし(四方山話)

私の自慢を1つ。

私は特殊能力があります。それは、「上手く行かない事業(案)は、ワリと精度良く当てる!」というイヤらしい能力ですw
ところが残念な事に、「上手く行く事業(案)を、高確率で当てる!」能力があるわけではありませんwww

ホントに残念です。神やご先祖様は何故?この後者の能力を私に渡してくれなかったのかと悔やまれますw

また、「上手く行かないのじゃないか?」と感じたモノでも、取り敢えず設計をやってはみます。行動はします。
これならば、私の予想や予言が外れて上手く行った場合でも、遅れは少なく、なんとか追いつけるからです。
そういう新事業はボチボチ存在します。
でも、私の予想や予言に反して上手く行ったなんてのは、ほぼゼロですw だから私の能力だと思っていますw

このような状況下で、それを部下にやらせると会社にとっては、かなりの固定費の浪費なりますし、失敗した場合の担当者の絶望感も大です。
なので、そいういうリスクの或る投資部分の設計はほぼ100%私がやってます。
まぁだいたい結末は当たるんですけどね~w
これがCEOの仕事だと確信しています。
だって、役員報酬制なので、会社にとってのロスは限りなく少ないですからねw 残業代なんかありませんし、休日労働もお構いなしですしw
そうすれば、役に立たなくても・上手く行かなくても技術力は付きますよw 無駄骨ばかりですがw
こういうのが使命なんじゃないですかね? 宿命かもw 《業》かもw
違います?w

神やご先祖様は、私に素晴らしい方の後者の能力(上手く行くモノを当てる能力)はくれませんでしたので、前者の能力を駆使し活用していますw
なので、諦めて前者の能力を駆使するしか有りませんw

「上手く行かない事業(案)の理由と根拠を徹底的に洗い出し、それぞれ解決しさらに改善を施し、前に進ませます。
  そしてその私が改善・改良案も、自ら冷酷な分析に晒します。そして、上手く行かない理由と根拠を分析し尽くし、更なる改善・改良です。
  これらを散々繰り返して、打率を上げるべく時間を掛け脳味噌を振り絞り、自慢の案を幾度も更新させます。」

トンでも無く時間とリソースの浪費になりますが、徹底的にやります。
これしか出来ないんですよね。 天才じゃないのでw

でも、この無駄な苦労と努力の結果は、別の全く新しい『価値』の創出には相当に役に立っているという実感があります。
身の程をわきまえつつも、新しい価値を創造したい!
米国やヨーロッパの真似事ではなく! 彼らが目も付けてない所を創出したいのです。

これこそが当にCEOの仕事だと思うんですよね。
だからこそ、私は設計業務を辞めないのです。止めてしまったら、冷静で冷酷な論理的判断が鈍ります。

私は、自分自身の《案》への冷酷なる否定はかなりのもんです。自分自身を否定しますので、なかなか落ち込みますがw

良く、『(技術から離れ)マネージメント業に専念する』と突然発する技術者を観てきました。
もの凄く多いです。 良く聞きませんか?

パナ時代も、係長昇進となれば「俺は、マネージメントに集中し専念するから、ハンダゴテを置く!実務設計は頼むぞ!」とか格好つけて言う方ばかり。
そんな昇進が確定し技術から手を引く等と宣言した先輩には、
「お前は元から、ハンダゴテなんか握とらんじゃ無いか!回路図も描けんクセに何格好付けてんだ!」と言ってましたw 26歳頃からw
嫌われてて当然ですw

そういえば最近、監査法人の担当者から気になる話を耳にしました。
スタートアップ企業の創業者でも、某大な資金調達の後に「マネージメントに集中するから実務からは離れる」という宣言は珍しく無いそうです。
やっぱりな~という感覚です。
超有名スタートアップの創業者にもそう言う方が居られたそうで、そこから会社がオカシクなったと言われてました。
私は、そう言う《マネージメント論》は、完全に間違っていると思うんですけどね。

TECH系なのに、TECHから身を引いてマネージメントに集中するという感覚が全く分からない私です。

正直言うと、それは言い訳であって、真実は「技術に飽きちゃった」って事なんですよ。これホント。
心底、技術に飽きてしまっただけの話で、昇進の様な機会を言い訳に「マネージメントに集中する」なんて格好いい言葉が出てくるだけ。
もしかしたら、元から技術なんか興味がなかったんじゃないのか?という勘ぐりもワリと当たってるんじゃないか?と思うことも多いです。
良き言い訳の材料が見つかっただけの話なんじゃないのか?とw

現に、パナ時代に係長がやってたマネージメントとは、部下の残業を人事と組合に申請・有休休暇の管理・なぜか結果を聞かされない会議への参加・なぜか私の進捗なんか聞かないのに進捗会議に参加・などなどw 
こんなの要ります?無価値ですw
そして、回路図や図面なんか真剣には観ませんし、観ても分からないし、品管からの指摘の対応はどうなってるのか?を部下に確認するだけw
品管との調整なんかもしてくれませんでしたね。
これでいて私より給料が高いんですから、全くもって納得感がないですw

そもそも、《技術部門のマネージメント》って何なのか?って答えられない筈です。
そしてそんな事を1年もやってれば、もう最新の設計なんかサッパリ分からなく成ります。ICの仕様書なんか読めなくなります。
私も設計以外で忙しくなりすぎて1ヶ月もCADを触れない時がありますが、もうその失った《勘》の復旧には相当の時間が掛かります。

そこに一旦落ちてしまって、取り戻そうとしなければ、1年後にはもう全く復旧は不可能だろうな~という恐怖心は常にあります。

では、そもそも社長の役目は? 「マネージメント?」・・・・・その中身は具体的に言えば?・・・・・

私の意見は、
会社の戦力や戦術の分析と決断であり、それを社員に納得して貰わねば成りません。そして引っ張っていくこと。
その戦力・戦術を見極める為には、最新の技術の追随・トラッキングは必須です。
「最新テクノロジーを駆使して~~~~~!」なんですから当然ですw 皆言ってますがw

そこから身を引いてしまって、最新テクノロジーを理解し新企画を発案するなんて出来ますでしょうか?無理です。
オマケにその新企画が当たる保証もない訳ですし、その案を冷静・冷酷に自己否定するにも最新の技術動向や技術力は必要です。

そしたら、そのなんだか良く分からない「マネージメント」って何なのか?必要なのか?ってなる筈です。私はずっとそうw

だからこそ、技術系の社長は現場(設計)から離れてはダメだと確信している私です。
一月CADや仕様書から離れただけで、相当に感覚は鈍りますからね。現実はそうなんです。

更に言えば、私もほっとけば必ず「飽き」ます! これ現実。
それを分かって居るからこそ、「飽きないように工夫」が必要です。じゃないと簡単に「飽き」てしまいますw 同じですw
すると、面倒な最新ICの仕様書の読み込みや、情報交換は貴重でして、それが自分を飽きさせない工夫でもあるんです。

はてさて。。。「マネージメントとは一体全体、何ぞや?」だれも教えてくれた方は居ません。。。w

そして、TECH(技術)から身を引き、「マネージメント」やらに集中した方々で上手くいった方を観たことが無いんですよね。
厳しい様ですけど、現実はそうだと思っています。

それに反して、「技術とは?」と問われれば、私は何時間でも喋る事はできますけどねw

私が正しいのか?他の方が正しいのか?
それは「神のみぞ知る」ですねw
 

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