~掛け売り(月末締め・翌月末払い)~
掛け売り(月末締め・翌月末払い)について真剣に考える
私が経験してきた『支払い』について
私は1992年から社会人となり(2浪)ましたので、それまでのビジネスの歴史を知っているワケではありません。
しかし、この言葉は良く聞いてました「月末締め・翌月末払い」というもの。皆さんも良く聞いてると思います。
日本では「月末締め・翌月末払い」が標準ですが、業界によって様々で、建築業界では下請け業者は「月末締め・6月後払い」なんてのもあります。
私が独立後に取引のあった名古屋の某メーカーとの取引は「月末締め・60日(2ヶ月)後払い(≒最長90日)」で始まりました。
そもそも論ですが、この支払条件というのは一体何なのでしょうか?
「当たり前」と答える担当者自身すらもその意味と目的が分かってないとしか思えないんです。
少なくとも私が納得の行く答えをくれたかたは1人も居りません。
創業後しばらくして、2007年頃を境に、メディアを中心としたコンプライアンス騒ぎが日本中を掻き回して居ました。
その頃に、その名古屋の某メーカーから「Braveridgeの資本金を1000万円に上げてくれないか?」との社長直々にお願いがありました。
当時、弊社の資本金が300万円でした。
何故かと聞くと、「法律上、資本金1000万円以下の企業に対しては、『納品後14日以内に支払い』という法律がある」との事でした。
そこで、資本金を上げるつもりは無いし、その資金もないのでとお断りしました。
すると突然、14日後払いで月2回や3回に分けての入金支払いがされるように変わりました。
その判断をされた当時の社長は凄いな~!と思いました。
それ以前はなんとなくやってたんでしょうが、コンプライアンス騒ぎの後に、いきなり支払が変わりました。
私にとっては、「月末締め・2ヶ月後払い」からいきなり「納品後、14日払い」と変わったので、資金繰りやキャッシュフローはもの凄く楽になりました。
なんせ、最長では3ヶ月後払いに成ってましたので、最初はホントに資金繰りに困っていました。
銀行からは信用が無く、儲けた金(利益)を3ヶ月の待機資金で回さざるを得ないので大変でした。
因みにこの時最後に頼ったが、国民金融公庫で、300万円だけ借りれました。※この時も色々と有ったのですが、渋々化してくれましたw
この時の取引なんですが、発注数量が毎月増えていッたのです。
すると、翌月にも20%~30%増しの発注、その翌月も更に増加発注。まだ入金が在りません。
そして漸く3ヶ月目に利益を含む代金が支払われても、受注数が増えてるので、入金分はそのまま前金として中国企業へ振り込むのが続くんです。
この状況は、「儲けている筈なのに、結果的に手元に現金が残らない」という事態です。
2年後でもそののビジネスだけで、売掛金が常時1200万円程にも成ってました。でも2年前からの利益分は手元に無いんです。
この1200万円は次の仕入代金を払っているので、全部本来は弊社が別の用途として使えるお金なのに、使えないんです。
これがまさに黒字倒産の典型という状態です。
このまま続けて行くと、売掛金だけが増えていく状況です。
そして、嫌がる前代表を散々説得し、説明し、それでも嫌がるのを押し通して、銀行に融資のお願いをしたら何ともあっさりOKがでました。
これは2年間ジッと耐えて、ビジネスを続けてきた履歴と歴史を一つの信用として評価してくれたので、簡単に貸してくれたわけです。
こういうのが本来の『(実績としての)信用』というわけです。
キャッシュフローの改善というのは当にこの事なんです。
こう言うのは実感が無いと、会計や経理が分からない人には到底分からないと思います。
これ最近の若い経営者の皆さんは分かりますでしょうか。。。ちょっと難しいんじゃないかな~と思います。
そこで皆大好き中国取引の現実ですが、中国企業は必ず「前金取引」限定です。いまでも、中国企業は前金取引が前提です。
有る意味当たり前です。
しかし一方、日本企業は日本国内取引の基本が「月末締め・翌月末払い(以上)」なのです。
すると、まさに有る程度のキャッシュのフローを考えないといけないわけで、これが当にキャッシュフローの基本です。
私は海外で2度創業し、2度会社を潰してますw 殆ど原因はコレです。
海外では、ホントに世界中の会社と取引していました。聞いた事もないようなアフリカの企業やら南米の企業とも取引していました。
しかし、海外企業に売る場合の取引でホントに大変なのは、結構な国で商習慣として「ターム取引(信用取引)」を要求されます。
中国やマレーシアやインドネシアの製造業相手には、前金取引ですので、私は先に支払済みです。
所が❗
この「ターム取引」または「クレジット取引」という後払いの契約で、マトモにちゃんと払ってくれる人が少ないこと!少ない事!
もう、大半は絶対に払いません。言い訳も様々です。
兎に角、金を支払わない国民性ランキングを付けると(2000年代初期の個人的経験ですw!)、
1位:アメリカ
2位:インド
3位:スペイン
4位:イタリア
5位:ジャマイカw
なんと、ワリとちゃんと支払うんだ~と驚かされた国民性ランキングは(2000年代初期の個人的経験ですw!)
1位:中国
2位:ロシア
3位:香港
4位:台湾
5位:タイ
と皆さんの予想を大きく裏切る真逆の結果ですww
ロシアとかホントに警戒してましたが、支払漏れは1回もありませんでした。以外でしょ!?
しかし事実。
一番痛い目にあったのは、兎に角、米国企業とインド企業ですね。
何度、現地まで行って支払の説得をしたことか。。。出張先の香港まで押しかけて、ホテルで話をしたこともあります。
ロスまで交渉に行った時なんか、「金が無い。売り先からの入金がない」とか言ってるわりに、ランクルのリフトアップ改造車で送り迎えするから衝撃です。
ましてや、嫁さんも呼びつけてヤキニク食べましょうといわれたら、嫁さん(日本人)までも同じ車乗ってるではありませんか❗
2000年~2001年末まで、サンディエゴ駐在してましたので、その車の相場観は10万ドル(≒1000万円)ぐらいの事は知ってました。
私「夫婦共々、それ売っぱらってでも金作って返せ❗」でしたw 言いませんでしたが。。。
インド企業の方は、シンガポールで一番の金持ちの一人であるマイクですw 今でも現存しますw
ロールスロイスのリムジンを持ってるわ、イタリア車も複数車種保有。HONDAシビッククラスが900万円するシンガポールでそれです。
シェントンウェイでビルも持ってる様な超大金持ちです。Panasonic製品をシンガポールで中継し中東に売りまくり、一財を為した同世代インド人。
よく飲みにも行ってたんですが、ハイアットホテルの中華料理で、たった1個/人の100円ソコソコの饅頭を精算時に「食ってない」とイチャモンw
そんなインド人経営者ですが、これもまた払わないんですよねw
知人の日系印刷会社の駐在員から「マイクが支払いしてくれないので、なんとか間に入って交渉して欲しい」って相談された事が在ります。
聞けば、未払い金が確か、たったの3万円程でしたw これでも払わない。ビル持ってる位なのにです。
ジーンズのポケットに5カラットのダイヤをチリ紙に包んで入れてる奴がですw
因みにですが当時、中国の中国企業が、回収漏れで倒産する取引相手国代表が、アメリカとインドでもあります。
ここら辺は、巷の噂と現実は大違いです。
もう一つ、悪手のテクニックがあります。これは中小の米国企業が良くヤル手です。その被害者の殆どは中国企業です。
意外かもしれませんが、「中国人(企業)は金払わない」なんてのは言い掛かりですね。逆にワリとちゃんとしてます。
何方かというと被害側のケースが殆どではないですかね。
この悪手金融テクをご紹介します。ご参考までに。巻き込まれないように❗
流石、金融の国アメリカです。米国の中小企業が良くヤル手は、名前はちょっと忘れたんですが、
『受注を受けたい側の企業に、キャッシュのバスケットを準備させます。そのバスケットの範囲の中で買い手側は自由に発注可能。
支払は1年に、キャッシュバスケットの金額の範囲を超えた部分のみ支払い、バスケット残金は繰り越し』という金融思考の悪手取引です。
実例を示しますと、3億分のキャッシュバスケットを確保出来た企業に発注を出す!といって、中国企業にけしかけます。
競争させて、準備出来た企業と契約です。仕事が欲しい中小の中国企業は必死に3億円分を掻き集めます。
で契約を獲得して、生産し納品しても、最初に支払があるのは1年後で、しかも3億を超えた分のみの支払です。
そして、その3億は繰り越しです。
で、最後の最後はその3億円はトンズラするという手法でして、某業界では名の知れた某企業がやってました。2006年頃でしたね。
これで潰れた、中国企業はメチャクチャ多いです。
2004年頃にデトロイトの企業から、そういう事を言われたことがあり、断りました。
その半年後に中国のブラウン管テレビ企業が破産したという日経のニュースを見たもんです。
総額54億の取りっぱぐれでした。相手先こそが、当に私に取引を提案していた企業でした。怖い怖い。。。
こう言う金融手法の悪手を使った取引も有る意味、『新手の信用取引(ターム取引)』ですよね。
世の中のビジネスに於いては、この『信用取引』を悪用する企業が結構あるっていう警戒感は必要なんです。
これは言い切りたいですね。
私が海外で起業し、海外企業相手のグローバルビジネスを諦め、日本に帰ってきて改めて創業したのはコレがメインの理由です。
少なくとも、日本では「代金を払わない」「支払が遅れる」「なんだかんだ理由をつけて、支払わない」が無い商習慣は日本だけだからです。
そう言う事態に悩まされる為に、会社を起業したわけではないのに、設計よりも支払の回収に時間が取られすぎることに疲れたんです。
ではこの『信用取引』の『信用』の主語Sと目的語Oは何か?誰か? って所が重要ですよね。これについて次段で解説します。
『信用取引』の起源と根拠と、商業道徳の歴史を考える。
今の弊社Braveridgeの支払手法の歴史について解説します。
『創業したばかりの私(Braveridge)には、全く『信用』が有りません』よね。
なので、部品代理店等へは全て『前金取引』をしてました。私から自らそうしてました。何故なら当たり前に『信用が無い』事が明白だからです。
交渉なんか全く意味が有りません。信用が無いので。だからこそ自ら「前金取引」を前提に代理店から購入していました。
そして、商売が少しずつ上向いて行きますと、取引の回数も増えていきます。
部品の発注単位はそれぞれ部品によって異なりますので、不足してくる部品のタイミングもずれていきます。
すると結果的には、週3回以上も代理店へ個別に発注と送金をする事になります。弊社としては当然なので特別面倒では無いんです。
中には1日に2回も同じ代理店へ別部品を発注と送金ということも有りました。
「私達Braveridgeはクリアーなお取引をする会社です」というのを何年も実施・実践し続けたのです。
所が数年後に、商品を販売する側(=お金を受け取る代理店側)から、こんな相談が入ります。
「スミマセン。。。発注と入金確認が多すぎて、ウチ(代理店側)の経理が大変なんです。『月末締め・翌月末払い』でお願いしたい」
というもの。
確かに、少額支払いでも毎回、販売元の経理が口座への入金確認後に発注指示をだしてるんですが、それが月何十回もあるわけです。
これでは、販売元の経理の担当者は都度口座の入金を確認し、そこから出荷OK指示をだしますので、たまった物では無いですね。
だから、数年における実績と信頼と信用から、
販売元(代金を貰う側)からのお願いで、『月末締め・翌月末払い』で、『経理の合理化』として、発注者にお願いする話なんです。
私は、『月末締め・翌月末払い』の最も合理的根拠はコレだと思っています。そう言う記述も有りませんが、この論にはかなり自信もあります。
そして、この慣習で必ず支払うことこそが、『日本の会計・経理の《鉄の掟》』と呼んでました。
これはホントに日本が誇るべき所です。大企業ほど、本来はこの《鉄の掟》の徹底こそが信頼の証だと思うんです。
※一部の大企業は除きますよw 私の旧職場でも、下請けへの未払いが発覚して、経理部長がブチ切れて乗り込んで説教した事件も有りました。
しかし、経理部長は《鉄の掟》を破った、設計部門全員に対してブチ切れたので立派でした。
と・こ・ろ・が❗ 最近はどうでしょうか❓
ここ10年程で大きく変化している様に感じます。これは、一部の大企業も同じ傾向です。
私の分析では、『会計・経理の《鉄の掟》』が、充分に社員全体に教育されてないことが原因だと思います。
私の前職時の新入社員研修ではそんな事を教えて貰いませんでした。無駄な導入研修なんかよりコッチの方が大事でしょうに。
そして、その《鉄の掟》を知らずに、生きていき、役職なんかを持ってしまうと、海外取引と変わらない様に変貌してるのでは?と思います。
所が、経理部の哲学がしっかりしている企業様に至っては、そりゃ~ビシッとして居られます。
担当者によっても違うって所はあるでしょうが。。。
私の肌感覚としてですが、そのように変わっていった原因は、
①『会計・経理の《鉄の掟》を教育していない』
②「キャッシュフロー」という言葉が先走りして有名になったモノの、その意味を知らないママ、勘違いしたママである。
③「在庫は悪」というのも流行りました。SCM(サプライチェーンマネージメント)やらトヨタのカンバン方式への礼賛で、これまた勘違いしている。
この3つだろうな~って分析です。
また、「コンプライアンス重視」ってのが有った際に見直されるかと期待していたんです。
しかし、その「(まもるべき)コンプライアンス」は会計・経理とは違った方向へ行っちゃいましたよねw
「会計コンプライアンス」なんてのが、本来ならばもっと前から騒がれるべき問題なんですよね。
こう言う所は、メディアの新聞の押し紙問題もまた、有る意味「会計コンプライアンス不全」ですから突っ込めないのかな?w
更に悪化した原因を分析すると、上述の3つに加え、スタートアップブームの様に思います。
④(上記①~③を知らぬまま)スタートアップ起業をして、大きな資金調達を実現したら、『信用取引』なんかその意味も根拠も知らないでしょう。
そして、五月蠅い経理からは教育もされず創業してるので創業者自身は全くそういった『商業道徳』なんか知る由も無しですからねw
という追記分析です。
ここら辺は、「社長コラム」の1番目でも似たような事を書いてますね~
私が2010年(平成22年)頃から体験した実話と『信用取引』の現実
ちょうど、日本でスタートアップ起業ブームは2010年前後からだったと記憶します。
結論から言いますと、この頃はまだマシで《鉄の掟》は活きてました。
そこから2022年までの12年間で、段々と少しずつ《鉄の掟》は相当に薄まって言ったように思います。
特に、スタートアップ企業の方々には、その《鉄の掟》は全く無いという感じの創業者も増えていった気がします。
それに加えて、一部の大企業の担当者の方々の中にもチラホラと《鉄の掟》など露知らずな方が増えてきた感じもあり、社会の変化かな~と思ってます。
ここからが本題ですが、変わっていったのは、
『月末締め・翌月末払い』が、本来の代金の受け手側の理由と根拠でなく、『支払う側の権利と当たり前の習慣』として、何時の間にか変貌した。
という事です。
そして、支払いはこの『月末締め・翌月末払い』で、〔例:3月1日頃の納品であれば、3月末締め・4月末払い〕ですので、約60日払いです。
「納品されても、支払が60日後で良い」というのが恰も『成果』の様に勘違いしている人がもの凄く増えた!と言うことです。
だから、『月末締め・翌々(々・々)月末払い』と払い日を伸ばせば、更に大きな『成果』と勘違いへと進化(悪化)していったと思っています。
私の意見:「イヤイヤ、どっちみち払うんですよ❗❗さっさと払った方がシンプルでしょ❗❓」って事です。
どっちみち払うのが今か来月か再来月かの1回だけですよ。しかもどっちみち払わないといけない処理です。1回です。
それをなぜ必死に遅らせる必要があるのか?サッパリ分かりません。
するとこれに対して出てくるのが「キャッシュフロー的に言って~~~~」とかワケの分からない台詞ですwww
もう何度聞いたことか?w
私の意見:「キャッシュフローって分かってます?利益を上げる手段ではないんですよ。説明できますか?」って反論です。
だいたい、これに答えられた人は殆ど居ません。完璧な答えを出した人は1人も居ませんw
※優秀な経理を除き。
会計上のテクニックの話を、単純な発注と納品と支払と在庫の話に混ぜ込んで、良くわからん理由で説明するのが皆理解してないキャッシュフローw
そして、自社(大企業)のキャッシュフローは確かに見た目上は良くなります。見た目上です。
で、その一方で、発注先の下請け企業のキャッシュフローは悪化しますよね。
要するに、見た目上の自社(大企業)のキャッシュフローの良化は、下請け先のキャッシュフローの悪化で担保されているって事です。
そして、自社(大企業)は、金融機関の信頼と信用は絶大なので、『幾らでも融資は取り出せます(借りられます)』。
なのに、なぜ融資をしないのか?その代わりに何故下請け側に融資をさせるのか?って『商業道徳』の話なんです。
下請け企業は、大企業ほどの信用もなく、数々の発注元からの『信用取引の乱用と未払い』に苦しめられています。
そして、金融機関への説得と説明に時間とリソースを要し、必死になって多額の融資を受けてます。
ましてや、上場しているのであれば、その口座に充分以上の現金を持っているので、それで回せば金利も無いでは無いか?と思います。
それなのに、発注元(大企業含む)は、結果的には意味も価値もない「キャッシュフローの良化」っぽい❗事を必死にやってるだけなんです。
悪手だと思わないんでしょうかね?
しかも、全くもって、価値も無いことなんです。どうせ払うのでw
会計・経理上では、基本は「何時支払う約束になっているのか?」なだけです。今払っても問題無い。
例えば、会計年度を跨いでも、会計上は前年度の納品なので、期を跨いで先送りは出来ないわけで、当年度無いで処理されます。
結局は、会計上も、何の意味も無いってことです。
さっさと払えば良いんですよ。
ココも良く勘違いされている担当者様がいます。
そして、会計監査上は、そこもちゃんと観られますし判断されるので、更に全く意味が無いんです。
そして次に登場するのが「『在庫は悪』だといわれているので~論w
だから、納品は此方(発注元)のデマンドに応じて、お願いします」です。『月末締め』は『納品日基準』なのでこんな事が出来ます。
そして、確かに『在庫は悪』というのが流行りました。それを巧くやってるのが、『トヨタのカンバン方式』だとも言えます。
しかも、トヨタ側の都合で書かれた『本』や『書籍』や『特集記事』だけを見てる訳でして、下請け側の反論や理屈は誰の耳にも入らない。
こういうのを信じて、意味も現実も知らずに『在庫は悪(だと言われてるので)』が暴走しているワケです。
だから、納品日起点の法律なので、それを悪用しているとも言えます。
これこそ悪手中の悪手なんですがね。
私はその『商業道徳』の悪化は、日本の古からの良き商習慣を壊す行為だと思うんです。
『在庫は悪』なのはなく『在庫は(自社の)覚悟❗』なんだって事を言いたいのです。
その覚悟が低い・薄いから『在庫したくない』なのでは?
ここら辺が欧米亜のグローバル企業に負けてるところなんですよ。分かるかな~。
トヨタ村では、文句を言ったら切られるだけだし、下請けは比較的容易に融資もしてくれますから、な~んとなく成立してるだけです。
一応、下請けも儲けますしねw
ではここからは大企業側でなく、問題スタートアップ企業側の話。
・発注をした際には、メチャクチャ売れる!と思い込み、VC/CVCにもそんなモリモリの計画を説明していたものの、実際はそんなに売れなかった。
・実際に「販売」ってのは、予想や予測や想像を100倍越す程に大変なんです。「良いもの作ったら売れるってのは間違い」っての繰り返しなんです。
・日本の商習慣として『月末締め・翌月末払い』を要求。※コレこそが本来は逆です。
・発注分が納品されても、『在庫』になってしまいます。そしてその売れない在庫はVC/CVCから批判されますし、経営者の能力も疑われます。
・発注先への『発注書』は活きてます。支払を『後払い』にして居れば、何かとイチャモン付けて納品を拒否すれば支払わなくて済むという悪手の発動。
これ、ホントに増えてきてます。
結論を言いますと、
『自分のビジネス予測の誤りを、月末締め・翌月末払いを悪用し、その責任を下請けの発注先に押しつける手法が増えている』
って事なんです。
これしか、資金調達をしたVC/CVCに言い訳出来ませんからね~w
こう言う所もVC/CVC様には、出資先の創業者の『ビジネスマンとしての覚悟と道理とコンプライアンスを調べるべき』って事を、
判断材料として活用して頂きたいもんです。。。
その納品延期や拒否の理由や根拠についても、メディアのインタビューや特集では和やか爽やかに将来を浪々と述べる著名スタートアップ創業者が、893顔負けの恫喝やイチャモンや根拠のない言い掛かりを付けてるケースも有るんです。
弊社ではそう言うのは、しっかり録音もしてますんで、それが流出でもすれば想像を超えるような衝撃が走るとも思います。
ほんと凄いのがありますよw
この事実が公表されたら、どうするつもりなんでしょうかね?
一度、一番酷いケースを弊社の大手監査法人に全部相談したことがあります。
そしたら「これは酷いですね。。。これだと、証券会社付かないでしょ。納品済み分の未払いとか基本の基が出来てませんね。無理です」
とのコメントでした。
中には、『Braveridgeの品質に疑いがあるので、ソースコードを提出しろ』と恫喝し、提出後に音沙汰のない企業経営者も居ます。
正直なところ、ソースコード出しても、当社側の開発者に質問しないと分からない筈なんですが、そういう質問も無しですw
完全に、そのまま盗用ですねw もしくは、自分で解決できない部分を抜き取る流用ですねw
こんな事がバレたら、どうなるんでしょうかね?w それがホントのテクノロジー系スタートアップなんでしょうかね?w
ここら辺は技術系の方々ならば、容易に想像は付くでしょう。
この様に、ここ12年程の間に『信用取引』は、支払う側の要求へと少しずつ変貌し、当たり前だと勘違いする経営者が増え、段々と悪化していってる感じがするんです。
ビジネスを創出し、企画し、下請け企業を動かし、発注し、作業をさせた以上は、絶対に払うんです。これこそが《鉄の掟》の筈です。
そして、それこそが最も大事な『日本の立派な商習慣』です。
上場していても、上場を計画していても、そうで無くても、スタートアップ企業でも、皆これは《鉄の掟》として絶対に守る❗という風習を根付かせるべきだと思う私です。
それを裏切る経営者は、市場から退場させるべきなんですよね。
第1に、「発注先に金融機関からの融資をさせる」なんてのは御法度です。
第2に、「発注先は、金融機関でもなければ、信用調査機能も持ってないのは自明で、そこに《信用取引》を求めてる時点でアウト」の筈です。
第3に、「そもそも、何かとイチャモン付けてでも、支払を遅らせる・しない・etc」なんてのは、経営者として失格です。
発注元(社)の気概と執念と哲学で、こう出来るかどうか?って話だと思うんですがね。
上場の審査で欠けているのは、経営者(創業者)のビジネス資質や哲学なんじゃ無いでしょうか?
上場後にそんな当たり前の事もできない創業者の企業を上場させては、大問題になります。そう言う事例も幾つかありましたね。
そして会計に関しては、N-2からの会計監査がありますので、会計上ははちゃんと監査されています。
スタートアップの上場後に問題とされた事例も幾つかありましたが、聞けば「徹底的に隠されたら見つからない」という事だそうです。
これは、悪事を隠し・隠し通す気満々でやってるのですからやはり、経営者(創業者)ビジネス資質や哲学を問えばよいかと思います。
私は痛い目に有ったスタートアップ企業が上場でもしようものならば、全ての証拠と共にぶちかます覚悟です。
事実なので、反論も出来ないでしょう。
そして、全てを白日の下に晒す覚悟です。
だって、上場なんてその位のレベルを問われてるんですからね。当たり前です。
私も良き社会の実現を担う1人ですかね。
結論
そう言う事を永年観てきた、55歳の怖いオッチャン社長としては、結論を以下の様に考えています。
『月末締め・翌月末払い』とは、発注が複数回/月に分かれ、毎月続く様な場合の支払い手法・手段で理解できますし合理的。
『発注元の求める《信用取引=ターム取引》なんてのは、そもそもこの世の中の会計・経理には存在しない。
『月末締め・翌々(々・・・)月末払い』とかやったところで、何のメリットも無い。キャッシュフローなんか関係無い。
『支払わない』『支払を伸ばす』『製品(サービス)の納期を遅らせる』なんてのは、会社として経営者として失格
『支払わない理由と根拠の説明』は、全て支払い側の問題で、納品側は一切関係ない。
『下請けや発注先が金融機関から融資を受けないといけない様な発注』は、御法度とするのが当たり前。
こう言うことなんです。
※但し、原油や天然ガスなどといった資源取引はちょっと事情が違うみたいです。これは私が関与する業界では無いので別です。
スタートアップが成長しない、大企業がグローバルでは負けている、とかなんとか言われてますが、その全ては《会計・経理》の健全なる環境を全企業経営者が守るべき《鉄の掟》だという《日本のビジネス界の常識》を如何に守っていくのかって事だと思う私です。
これが全てのスタートなんですってことです。
そろそろ、正しい理解と運用に舵をきる頃だと思う私です。
そもそもなんですが、後払いにする理由って何ですかね?って事なんですよ。
自らが分析し売れると判断した製品を、後払いで買うってのは、ホントは自信が無いから?ではないの。と思う訳です。
自信があれば先に払いますよね。
自信が無い不安な部分があるので、自らのミスや予想間違いを、発注先に責任を負わせ、イチャモン込みで受け取らない保険を掛けているだけだと思うんですよ。
VC/CVC様なんかは投資する際にこう言う所を判断の一つとして見極めるってのはどうでしょうかね?
会計・経理の基本である《鉄の掟》を知ってるのか?実践しているのか?って所です。
そんな当たり前な事も解ってない、起業家に投資するって、危ないと思いませんかね。
ここら辺は基本の基だと思う私です。で、ワリと当たっていますよ。
私の取引先で、ここら辺がキッチリしている経営者は皆、例外無く素晴らしいです。こう言うもんなんですよね。
これはホントに不思議ですが、共通しておられますし、立派です。
その企業の担当者も、教育が行き届いていて、ビシッとして居られます。
そもそも、世の中の個人の支払に関して、そんな後払いとかあるでしょうか?
クレジットカードがある❗
って事なんでしょうが、これも必ず「使用枠」がありますよね。そして年々それが大きくなります。
信用が大きくなってるって事です。
そして、クレジットカードは手数料を取ります。
その手数料は売り手側が払う仕組みです(秋葉原除くw)。
だから、手数料分を3~5%上乗せした金額に成ってます。
だったら、現金で払う人にとっては不公平ですよね~w
クレジットカードは、使う(払う)人の『信用取引』です。
売る人側の『信用』では無いです。勿論、それはそれで、別途クレジットカード決済を許可すべく店(会社)の審査もあります。
それ以外で何かありますかね?無いんですよ。
昭和の時代には、ツケ払いなんて酒屋の支払いは在りましたが流石に今は無いですよねw
そもそも『掛け売り』なんか、もう世の中には無いんですよね。そう言う事なんです。
追記ですが、『何時もニコニコ現金払い』だとすると、手元の通帳に入ってるお金は間違い無く『使っても良い自分のお金』ですよね。
そこに「○ヶ月後と○○ヶ月後と◎◎◎ヶ月後に支払うべきお金と、使って良い自分のお金」が合算されていて、判断出来る人居ますかね?w
私は無理ですねw
キャッシュフローとは、こう言う所にも、レベルの低い経営者にはデメリットとして現れます。
そして、自分の会社の信用があれば、そこは銀行の融資で回せば良いんですよ。
面倒クサイ支払にすればするほど、キャッシュフローなんか考えなくては行けなく成ってると思う私です。
「使って良い、ホントの自分のお金は経理しか分からない」何て状態になってるんじゃないの?と思うんです。
そう思うと、私は「何時もニコニコ現金前払い」こそが健全だと思うんですけどね。
必要なキャッシュフローは金融機関で賄えばよいだけでは?
私は2023年からは、信用取引の不要な(毎月複数取引の無い)顧客に対しては、前金取引に変えようと思ってます。
そして、掛け売りの場合は、秋葉原の電子部材屋の様に手数料5%を貰おうかと思ってますw