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機構設計課の山口です。
今回は「防水性能」の評価について紹介します。
Braveridgeの開発メンバーは設計だけでなく評価も担当しています。
基本的には設計→試作→評価→再設計→再試作→再評価→・・・
というサイクルを複数回繰り返します。
理想は再設計無しの1発OKですが、そんなに甘くはありません。
防水評価の例として、IPX7試験の様子です。
塩ビパイプの底(水深1m)に製品を沈めて30分間放置します。
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製品内部には水没管理シールを貼って水の侵入が分かるようにしています。
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水が浸入してシールに水が付くと↓画像のように赤いインクが溶け出します。
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この方法だとIPX7の規格を満たしているかどうかは判定できますが、万が一水が入った場合どこから入ったのかを特定することはできません。
どこから水が入っているか特定しなければ、効果的な対策は打てないので、下図のような試験装置を導入しました。
実はこれ野菜保存用の真空容器です。ホームセンターで2000円くらいで売っています。
容器のフタを加工して気圧計を取り付け内部の圧力も測定できるようにしました。
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容器内に製品と水を入れて、ポンプで空気を抜きます。
製品周辺の圧力が下がることで、製品内部との圧力差が生じ、しっかり密閉できていない場合は↓動画のように気泡が出てきます。
※気泡が出る様子が分かりやすいように、製品のねじをゆるめて試験しています。
この試験で防水性能に対して、製品の弱いところが特定できます。
しかし、実際の水没とは圧力の向きが違うので注意が必要です。
簡易的に弱点を把握するには充分使えますが、次回は空気を入れて(加圧して)圧力差を生み出す装置にトライします。お楽しみに。
※用途外の使用方法なのでマネしないでください。