Bluetoothの大きな変化
Bluetooth業界に関して言えば、2020~2021の間に大胆で大きな変化があります。
これは、Bluetooth Classicがシュリンクモード(縮小)になり、Bluetooth Low Energyがメインの”Bluetooth”に成っていきます。
これは途轍もない変化です。
実際の所、私はこうなる事を8年くらい前から言ってました。
その根拠は明確でして、Bluetoothの最大のメリットが最大のデメリットであるという悲しい現実が有ったからです。
それは《プロファイル》なんです。
1995年頃に騒がれ始めたBluetoothですが、この時代は《相互接続性(インターオペラビリティ)》が強く求められていた時代です。
OSが何であれ、主端末が何であれ、Bluetoothは何でも繋がる必要がありました。
そうでないと、Bluetooth端末の開発会社は各端末毎の対応製品をラインナップするという超面倒クサイ事になるからです。
よって、この課題解決の為に、
・OSにBlutoothSIGで相互接続性を保証されたドライバーを組み込む
・端末側にBluetoothSIGで相互接続性を保証されたFirmwareを組み込む。
という形になりました。これは当時の状況からは至極当然でした。
実はここで、一つの宿命を背負う事になってしまったのです。
《プロファイル》を全世界のBTSIGメンバーで話合い、決めて、変えられなくする必要性です。
1995年頃の話ですが、パナでもコードレステレホンプロファイルを検討していました。
しかし、このプロファイルはライバル企業とも同一のもので無ければならず、ライバル企業とともに納得しなければならないのです。
しかもこのプロファイル開発と費用はライバル企業と一緒にシェアするなんてことになるわけです。極論を言うと、一緒になって開発しなければならないって事です。
当時の私は「そんなバカな!」と思っていました。そして「遅かれ早かれ、そんなのは破綻する!俺だったら、Bluetoothコードレス開発するように見せかけて、カウンターパンチでBluetoothコードレス《コードレス電話プロファイルを使用》では出来ない製品を開発するわ!」って言ってました。
で、結果、当然の事ですが、《コードレス電話プロファイル》なんて構想は進むわけも無く、自然消滅して行きました。
そもそも、ビジネスの世界では「(ライバル企業も)皆で手を取り合って、皆で成長しましょう」なんてのが、何でもかんでも正しいわけでは無いんですよね。
結局、そんなこんなで、Bluetooth(クラシック)は広まっているものの、使用は限定的になってしまったと言えます。
※数は出ていますが、使用製品は限定的です。
私が、Bluetooth Low Energyに「ピンッ!」と来たのは、《プロファイルは各社自由勝手に作って良い》というBTSIGの最終決断に出会ったからです。
そもそも、相互接続性のメリットこそがBluetoothの特徴だったのにも拘わらず、この決断はビックリしました。
後々、CSRやブロードコムや数社は反対したそうですが、押し切ったと耳にした。
押し切った企業(NordicとAppleと言われている)はこの時から、Bluetooth Low Energyの本当のポテンシャルを知っていたわけです。
すると、Braveridgeとして投資すべきポイントは、この《(自由化された)プロファイル》を自ら作るソフトウェア技術力に他ならない訳です。
Braveridgeでは、ICメーカーが提供している標準プロファイルや汎用プロファイルは一切使用していません。
完全に100%が独自プロファイルです。
顧客の要望や仕様に合わせて、カスタマイズしチューニングしています。
消費電流の削減や、効率的通信には、この《独自プロファイル》は欠かせません。
技術系企業としては、このように《本当に技術的な分析と解釈》が必須だと思うのは、こういう事からなのです。
巷の噂や流行だけで、方針を決めていては、正しい方向性には行かないもんです。
そして、既存のBluetoothクラシック仕様は、今年から来年に掛けて、Bluetooth Low Energyに食われていきます。
ヘッドセットやWirelessスピーカーやマウスやら。。。なんでもかんでもBluetooth Low Energyで実現されるようになります。
そんでもって、最終的には《Bluetooth》ってBluetooth Low Energyの事になるわけです。所謂、Bluetooth Low EnergyによるBluetooth乗っ取りですw
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