こんにちは、アプリケーションエンジニアの難波です。

今回は、2023年3月に発売予定のリモートID miniの宣伝記事です。

弊社ではドローンに搭載するリモートIDを開発・発売しています。
発売から半年ほど経過しましたが、ユーザー様からのよくあるお問い合わせとして「GPS測位が終わらない」というご連絡をいただきます。

そこで、リモートID miniでは内蔵しているGNSSモジュールの位置測位の様子を可視化することができたので、機能紹介をしようと思います。
※正しくは「GNSS測位」ですが、本記事では一般的な表現である「GPS測位」と記載します。
 

GPS測位の状態変化

GPS測位はアルマナックおよびエフェメリスデータを衛星から受信しながら、以下の順番で測位が進んでいきます。

  1. 衛星を捕捉
    ・座標データ受信(アルマナック・エフェメリス)
    ・時刻データ受信
  2. SN比が基準値以上の衛星の受信データを用いて位置情報を算出

通常は1分ほどで測位が完了しますが、屋内など衛星の電波を受信しにくい環境では測位に時間がかかり、GPS測位が完了しないこともあります。
ではどういう環境であればGPS測位が可能なのでしょうか。

GPS測位できる条件

スマホとアシストGPS

ところでスマホであれば、地図アプリを起動すると屋内でも自分の位置が表示されています。
ということは、屋内でもGPS測位は可能だと考えられます。
スマホではアルマナック・エフェメリスデータを衛星からではなくネットワークから取得する方法や、携帯基地局・WiFIアクセスポイントの位置情報を利用した測位を行なっています。
そのため、屋内でも位置測位が可能です。

リモートIDのGPSモジュール

リモートIDのGPSモジュールはネットワークに接続しておらず、衛星から受信するデータのみで位置測位を行います。
そのため、リモートIDのGPSモジュールが衛星からデータを受信しやすい場所がGPS測位できる場所ということになります。

以下、衛星からデータを受信しやすい条件です。

  1. 空が開けてる場所
    リモートIDと衛星の間に障害物がない状態が良い場所です。
    つまり、普段ドローンを飛ばしている屋外ですね。
  2. 受信アンテナ
    電波を受信するのでアンテナが必要です。
    リモートID miniは外付けアンテナタイプですが、アンテナが同梱されています。

GPS測位の可視化

BvリモートIDで測位状況を確認する

それでは、リモートID miniのGPS測位状況を見てみます。

BvリモートIDを起動して「GNSS測位状況」をタップします。
※画面は開発中のものです

リモートID miniに電源を供給してLEDがシアン点滅であることを確認します。
・白点滅は設定モードなのでしばらくするとシアン点滅に移行します。
・赤点滅はリモートIDと機体情報が紐づけられていない状態を表すので、DIPSに登録している機体にリモートID製造番号を登録して、リモートIDに機体情報を書き込んでください。

リモートIDがシアン点滅している時、BvリモートIDはGNSS測位状況を表示できます。

全体の進捗はプログレスバーで表現されます。

通常であればこの動画のように1分ほどでGPS測位が完了します。

測位が完了しない場合

場所によっては衛星がほとんど捕捉できなかったり、衛星は捕捉できているが電波感度が悪く、測位できない場合などがあります。

屋内で衛星が捕捉できない

GPSモジュールが捕捉している衛星数が少ない場合、以下のような画面でGPS測位が進まないのが確認できます。

まとめ

GPS測位状況を可視化しました。
ドローンにリモートIDを組み込む前は問題なく動作していたが、ドローンにリモートIDを組み込むとリモートIDのGPS測位が完了しない、という時には、この可視化がとても役に立つと思います。

リモートID miniは3月末に発売予定です。
 

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