前にも書いたことがあると思うんですが、私は芸術工学部って学部卒でして、電気理論なんか全く大学で学んでいません。
表向き、芸術学部と工学部の合間の様な学部なんですが、正直どちら側の方にも近く無い学部卒です。
芸術学部なんかと比較にはならないですし、工学部なんかとも比べ物にならない程、数学や物理の世界とはかけ離れていました。

2浪(1浪➡電子工学部を1ヶ月で退学➡2浪目突入➡芸工大に運良く合格w)なのですが、ひょんな事から電気・電子に興味を持ったのが切っ掛けです。
東京の電子工学部に入学して即座に「こんな事をやろうとおもって大学に来たわけじゃ無い!」と啖呵を切って、芸工大に入ったのに、否定していた電子工学の世界に自ら趣味の一環で興味を持ち、ドップリ浸かってもう35年ですw

旧職のパナに入った時点では、並み居る有名大学・大学院卒の同期が200名程居ましたが、新人当時で私よりも電子回路に詳しかった同期には出会いませんでしたw
この時点で、もう学問と趣味とでは後者が勝っていたと証明できます。

あれから30年も経ちますが、未だに電子回路設計へのモチベーションは高く、未だに回路設計&基板レイアウト設計は現役バリバリです。
今でも、海外のIC仕様書を読み漁っています。

振り返ればやはり「好きこそモノの上手なれ」こそが真実だよな~と何時も思います。
調べてみれば、「誰でも好きでやっていることは一生懸命になるし、それに関して勉強したり工夫したりするので、自然に上達するものである。」との事。
そりゃ~そうだよな~と思いますよね。

まぁ、私の場合は経営者なのですが、「素人経営者」みたいなもんです。
「経営を好きに成る」なんてのは、なかなかそういう風に没頭できるもんでは無いもんです。
また、経営に知恵を絞り、工夫を凝らし、ストレス満点状態を継続し、答えが外れたり・当たったり、やっていけば必ず成果に結びつく!ワケでも無いんですよw
こりゃ~辛いですよね。

しかし、逃げ出したら終わり!そんなことになれば信用も落としてしまいます。

経営者なんてなるもんじゃないですよ。ホントにw 気軽にオススメなんか出来ません。
そう言えば、12~13年前のスタートアップブームの時には、誰でも創業!スタートアップ創業!な~んて言ってる人が結構居ましたが、なんとも無責任なもんだったな~と振り返ります。

仲の良い経営者と話せば、皆さん同様に考えておられているようです。
ただ!踏み止まったり、後退するワケでも無く、果敢に前進するのみ!と頑張っておられる。
かなり精神的にはやられると覚悟しておかないと、それが現実なんですよね~。

私は社長ではありますが、その前に『技術者』だと自覚しています。「これは絶対に失わない!」と決めています。
よく「経営(マネージメント)が大変なんで、俺はもうハンダゴテは握らない!実務からは離れてマネージメントに集中しなければならない」なんて台詞を、パナ時代には数々の先輩の係長・課長昇進時に嫌というほど聞かされました。

当時から性格が捻くれていた私は、係長に昇進する7つ上の先輩がそう言ってたので、思わず「お前なんか元々ハンダゴテなんか握っとらんじゃないか❗格好いい事言うもんじゃない❗」とか言ってましたw 流石に酷い後輩ですねwww

こう言う場面を幾度も見てきたので天邪鬼な私は「一生、ハンダゴテを握っといてやる❗絶対に設計実務からは離れない❗」と決めていました。
まぁ、真実を言うと、ここ10年程は仕事でハンダゴテ握ってませんwww
この点のみで言うと、完全に決意を反故にしていますねw

ただ、設計はバリバリやってます。
言い訳すると、もうハンダゴテ不要なんですよ。100%じゃないですが、もうSMDパーツで表面実装なので、ピンセットやハンダゴテ作業そのものが減ってます。
試作段階から、SMT実装機によるロボット実装なので、そう成っちゃってます。
また、アナログ要素が激減してまして、何でもかんでもデジタル要素による設計なので、部品をカットアンドトライする場面が無いんです。

まぁそういう環境ですが、『設計』はホントに楽しいです。
頭に浮かんだ構想を、回路図に落とし込むんですが、まさにこれって『翻訳業』とも言えます。回路図という『言語』に翻訳しているんです。

実例を示しますと、私の許容範囲内の設計範囲に限れば、
顧客の『やりたい事』は、日本語で喋って頂けたら、同時並行に頭の中に『ブロック図』を描いてまして、続けてもう『回路図』も出来ちゃってます。最近なんかは、喋っている間に脳内で『基板レイアウト』も描いてまして、終わりがけには「だいたいこんなサイズになりますよ」とまでは行けます。
また、余程高級な技術出ない限りはだいたい98%位の案件相談であれば、もう最初の打合せの段階でもうCADに落とし込める位には脳内で描いてます。

そう言う意味では、ほんとに『翻訳業』みたいな感覚なんです。
アプリやFirmwareやサーバー周りになると、脳内描画の制度は落ちますが、ワリと良い感じの%でイメージする事くらいは出来る様になりました。

まぁ、流石に30年間もやってますんで、ワリと長期の経験者ですから、その位はスラスラ出来ます。

数年程前ぐらいから、こんな感覚で脳内設計できるようになってきたので、顧客様の『やりたい事のご相談』なんかは楽しくてしょうがないです。

経営でのストレス発散に、設計で癒されているみたいな感覚なんですよね。
心のよりどころが有るって感じでしょうか。

「好きこそモノの上手なれ」の行き着いた先って感じです。

「技術って幸せな職業」と書きましたが、矢張り30年もやってるとそう言う境地になってくるんじゃないかな~と思う今日この頃です。

しかも、最新技術を発案したり、誰も考えついてない技術を発案したりした時の感激は他には代えがたいモノが有ります。

私の同期の連中は、もう20年以上も前から『技術』からは離れ、『マネージメント』やらに没頭している様です。
それが、本当に幸せなのか?って思う私です。
絶対、設計している方が幸せを感じられるもんです。

逆に私は『マネージメント』やらに関しては、全く分からないんですよねwww トレードオフって事ですかね。サッパリ分かりませんw
しかし、『マネージメント』やらが分からなくとも、『設計者』としてはワリと貴重・稀少な存在ではあると思ってます。

嫌みったらしく言ってしまえば、私が見ていた『マネージメント』とは、
①部下の残業申請と管理と組合対応w
②部下には連絡・報告の無い『日程管理会議』
③有休申請と取得管理
④何議論しているのか知らんのですが、日々会議w
でした。こんなもんは、従業員個々にやれるだろ!って思うんですよね。

設計ってイノベーティブであれば有るほど褒められるもんです。また、自画自賛も可能ですw
私の口癖は「俺、天才やわ~❗」という独り言www

私の元同僚・同期・先輩の一部は、技術部門から間接部門への異動辞令を受けるともうニヤニヤして、
「俺は本当は設計を続けたいんだが、○○部門(間接部門)からどうしても技術が分かる人材が必要だと請われてしまい、やむなく異動を受け入れる事にした」
とwww
いえいえ、いやいや貴方、元々設計なんて出来ないじゃんwww

おまけにこれも嫌みたらしく合理的に考えれば、その部・課に上層部からの下知があり、
「誰か技術者の中から○○部門(間接部門)に移動させろ!技術が分かる人間が○○部には居ないのが問題なんだ!誰か出せ!」
ってのが必ず裏に有ったりするもんです。 
結構、裏取りすると全部そう言う感じでしたw

で、「出せ」と言われた部・課では、(大変申し訳ないんですが)、一番業務に支障をきたさない技術者から推薦するに決まっているワケですw
そんな論理的な事も分かんないのかね???と思ったもんですw
ましてや、本気で「相手先の○○部からどうしてもと頭を下げられて」なんて言ってるけど、本音じゃないよねw とか。。。

そんなに『技術』『設計』って楽しく無いんかな~❓❓

「誰でも好きでやっていることは一生懸命になるし、それに関して勉強したり工夫したりするので、自然に上達するものである。」

つまり、「好きじゃ無い」んですかね。

でも、異動先でも「一生懸命な姿」を見たことが無いのも事実なんですよねww

また、会社や経営者としては、『技術って面白いんだよ❗』って事も充分に伝えて納得・実感させてあげれないとダメなんでしょうね。
これは、常々思っています。

これこそがホントの『マネージメント』なんじゃ無いでしょうか❓

違いますかね❓

なので、このコラムのタグは『雑談』にしておりますwww

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